「月の土」模擬物質からヒヨコマメの種子を採取
月の表面を覆う細かな粉は「レゴリス」と呼ばれています。
見た目は土のようですが、地球の土壌とはかなり違います。
地球の土には有機物があり、微生物がいて、植物の根のまわりでは栄養が循環しています。
しかし月のレゴリスには、そうした生物の働きがほとんどありません。
しかもレゴリスの粒子は鋭く、水をうまく保ちにくいという性質があります。
植物に必要なリンやカリウム、カルシウム、鉄などの元素は含まれているものの、多くは植物がすぐ使える形ではなく、窒素も乏しいため、そのままでは土壌として十分に機能しません。
また植物にとって有毒な可能性のある重金属も含まれています。
そこで研究チームは、レゴリスに足りないものを生物の力で補う方法を試しました。
使ったのは、月の土壌を再現した高精度の模擬物質「LHS-1」、ミミズ堆肥、アーバスキュラー菌根菌(AMF)です。
ミミズ堆肥は、ミミズが有機物を分解して作る肥料で、栄養だけでなく微生物も含んでいます。
月面基地では、食べ残しや綿製品、衛生用品などの廃棄物を再利用して、こうした材料を作る構想も考えられています。
さらに研究チームは、ヒヨコマメの種子にAMFを接種しました。
これは植物の根と共生する菌類で、根が届きにくい場所からも水や栄養を取り込みやすくし、重金属の影響をやわらげる働きが期待されています。
研究では、模擬レゴリスとミミズ堆肥を25%、50%、75%、100%の割合で組み合わせ、菌を入れた場合と入れない場合を比べました。
その結果、ヒヨコマメはすべての条件で発芽しましたが、レゴリスを含む混合土壌で花を咲かせ、種子を作るところまで進んだのは、菌根菌がある場合だけでした。
しかも、レゴリスの割合が75%までなら、実際に収穫できる種子が得られました。(※画像はこちら)
より詳しい結果は、次で見ていきましょう。

























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