「顔面に突き刺さった歯」が語る最後の瞬間
問題の化石は、2005年にアメリカ・モンタナ州東部のヘルクリーク層から発見された、ほぼ完全なエドモントサウルスの頭骨です。
この標本の最大の特徴は、鼻の上部を貫通し、内部の空洞にまで達する「折れた歯」が埋まっていた点にあります。
この歯は単に表面に残っているのではなく、骨の中に深く食い込んでいました。
つまり、かなり強い力で噛みつかれた結果、歯が折れてそのまま残ったと考えられます。

さらに、頭骨にはこの歯以外にも複数の噛み跡が確認されており、攻撃が一度きりではなかったことがうかがえます。
チームはCTスキャンを用いて歯の位置や角度を詳細に解析。
その結果、この歯はエドモントサウルスが攻撃者と正面から向き合った状態で噛まれた際に折れた可能性が高いと判断されています。
現代の動物でも、捕食者と被食者が正面から衝突する状況は、致命的な攻撃に直結することが多いです。
そして、この化石でもそれを裏付ける証拠が見つかりました。
歯の周囲には、傷が治癒した形跡がまったく見られなかったのです。
これは、この個体が噛まれた後に長く生き延びることはなかったこと、つまりこの攻撃が致命的であった可能性を示しています。
まさにこの歯は、エドモントサウルスの「最期の瞬間」を封じ込めた証拠といえるでしょう。






























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