画像
Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
paleontology

獲物の頭蓋に突き刺さった「ティラノサウルスの歯」を発見

2026.03.20 18:00:13 Friday

今から約6600万年前、白亜紀末の北アメリカ。

そこでは、巨大な肉食恐竜ティラノサウルスが頂点捕食者として君臨していたと考えられています。

しかし、彼らが本当に「獲物を仕留めるハンター」だったのか、それとも死骸をあさる「スカベンジャー」であったのかは、長らく議論の的でした。

そんな中、米モンタナ州立大学(MSU)の博物館に収蔵されていた1つの化石が、その議論に新たな光を当てました。

なんと草食恐竜エドモントサウルスの頭骨に、ティラノサウルスの歯が刺さったまま残されていたのです。

この異様な化石は、Tレックスの捕食の直接的な証拠として貴重な試料です。

研究の詳細は2026年2月17日付で科学雑誌『PeerJ』に掲載されています。

 

Rare fossil at Montana State’s Museum of the Rockies records Tyrannosaurus attack https://www.montana.edu/news/25112/rare-fossil-at-montana-state-s-museum-of-the-rockies-records-tyrannosaurus-attack Scientists Found a T. Rex Tooth Embedded in Another Dinosaur’s Skull https://www.sciencealert.com/scientists-found-a-t-rex-tooth-embedded-in-another-dinosaurs-skull
Behavioral implications of an embedded tyrannosaurid tooth and associated tooth marks on an articulated skull of Edmontosaurus from the Hell Creek Formation, Montana https://doi.org/10.7717/peerj.20796

「顔面に突き刺さった歯」が語る最後の瞬間

問題の化石は、2005年にアメリカ・モンタナ州東部のヘルクリーク層から発見された、ほぼ完全なエドモントサウルスの頭骨です。

この標本の最大の特徴は、鼻の上部を貫通し、内部の空洞にまで達する「折れた歯」が埋まっていた点にあります。

この歯は単に表面に残っているのではなく、骨の中に深く食い込んでいました。

つまり、かなり強い力で噛みつかれた結果、歯が折れてそのまま残ったと考えられます。

画像
青色がTレックスの折れた歯/ Credit: Taia C.A. Wyenberg-Henzler et al., PeerJ(2026)

さらに、頭骨にはこの歯以外にも複数の噛み跡が確認されており、攻撃が一度きりではなかったことがうかがえます。

チームはCTスキャンを用いて歯の位置や角度を詳細に解析。

その結果、この歯はエドモントサウルスが攻撃者と正面から向き合った状態で噛まれた際に折れた可能性が高いと判断されています。

現代の動物でも、捕食者と被食者が正面から衝突する状況は、致命的な攻撃に直結することが多いです。

そして、この化石でもそれを裏付ける証拠が見つかりました。

歯の周囲には、傷が治癒した形跡がまったく見られなかったのです。

これは、この個体が噛まれた後に長く生き延びることはなかったこと、つまりこの攻撃が致命的であった可能性を示しています。

まさにこの歯は、エドモントサウルスの「最期の瞬間」を封じ込めた証拠といえるでしょう。

次ページTレックスの歯と断定、そして見えてきた「食べ方」

<

1

2

>

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

Amazonお買い得品ランキング

スマホ用品

古生物のニュースpaleontology news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!