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paleontology

世界最古となる「9000万年前のスギ化石」を北海道で発見

2026.03.17 12:00:23 Tuesday

春になると、多くの人を悩ませる「花粉症」。

その主な原因として知られる「スギ」ですが、その祖先がどのような姿をしていたのかは、長い間ほとんど分かっていませんでした。

ところが今回、北海道で見つかった小さな化石が、その歴史を大きく塗り替えることになりました。

北海道大学大学院 理学研究院のグループは、北海道・留萌(るもい)郡に分布する白亜紀中頃(約9000万年前)の地層から、世界最古となるスギ類の化石を発見したと報告しました。

この化石は、新属・新種として「カミキネンスギ(学名:Kamikistrobus primulus)」 と命名されています。

研究の詳細は2026年2月21日に学術誌『Review of Palaeobotany and Palynology』に掲載されました。

世界最古のスギ類の化石を北海道で発見~針葉樹の衰退前夜を垣間見る~ https://www.hokudai.ac.jp/news/2026/03/post-2215.html
Kamikistrobus primulus gen. et sp. nov., a new taxodioid fossil seed cone from the Upper Cretaceous of Hokkaido, Japan https://doi.org/10.1016/j.revpalbo.2026.105543

世界最古のスギ化石は、いかに見つかったか

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Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部現在生きている針葉樹類は、約650種からなる比較的小さなグループで、そのうちヒノキ科には約140種が含まれます。

スギ類はこのヒノキ科に属する一群で、花粉症の原因としてよく知られるスギのほか、スイショウ、ヌマスギなどを含みます。

分子時計による推定では、スギ類は白亜紀中頃の約9000万年前までに出現していたと考えられてきました。

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切断する前のカミキネンスギの球果化石(岩石の中央)。一緒にアンモナイトの化石が保存されている/ Credit: 北海道大学(2026)

しかし、これまで見つかっていた最古の化石は約7600万年前のもので、最初期のスギ類がどのような姿をしていたのか、どのような環境で暮らしていたのかは分かっていませんでした。

そうした中、研究主任の山田敏弘教授が1999年6月、博士前期課程1年生のときに、北海道・留萌郡にある白亜紀の地層「蝦夷層群」で、球果化石を採集しました。

ところが、山田教授は当時、それが「北海道で初めて採った球果化石」という思い入れが強かったため、内部構造を調べるために切断する決断ができないまま、長年研究室に置かれていました。

しかし2022年、その標本を見つけた大学院生が「容赦なく」化石を切断して内部組織を詳しく調査。

その結果、これがスギ類の新属・新種であることが判明したのです。

さらに、この球果化石は一緒に含まれていたアンモナイト化石から約9000万年前のものと推定され、スギ類の起源を探るうえで極めて重要な発見となりました。

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