2300年までに南極大陸の大地は「今の550%」露出する
南極と聞くと、白い氷がどこまでも広がる世界を思い浮かべる人が多いでしょう。
ですが実際の南極は、氷の下に山や谷、峡谷、火山まで隠れた、れっきとした大陸です。
つまり、氷が後退すれば、そこから地面が現れてきます。
これまでも、温暖化で氷床が縮小し、氷のない土地が増えることは予想されてきました。
ところが、従来の予測には見落とされがちな点がありました。
氷はただ後退するだけではなく、その重みで押さえつけられていた地面が、氷の減少とともに少しずつ持ち上がるのです。
これは「氷河性地殻均衡」と呼ばれる現象です。
重い荷物を長く置いてへこんだクッションが、荷物をどけるとゆっくり戻っていくようなものだと考えると分かりやすいでしょう。
南極ではこの変化が何百年という時間をかけて起きています。
今回の研究は、この地面の隆起に加えて、海面の変化も同時に組み込みました。
氷が溶ければ海面は上がりますが、一方で地面も持ち上がるので、最終的にそこが陸として現れるのか、それとも海に覆われるのかは、両方を合わせて見なければ分かりません。
研究チームは、海面変動モデルと氷床融解予測を組み合わせ、温室効果ガスの排出量が異なる複数の条件で、南極の将来の地形を計算しました。
その結果、最も氷の融解が進む条件では、2300年までに最大で約12万平方キロメートルの新たな氷のない土地が現れる可能性があると示されました。
これは現在の南極における氷のない土地の面積の550%です。
しかも、新しく露出する土地は一部の地域だけではなく、既に領有権が主張されている地域にも、西南極の未主張地域にも広がると見込まれています。
ここで重要なのは、この研究が「南極の氷が減る」という話を、単なる景観の変化としてではなく、「地面がどこまで現れるか」という、もっと現実的な問題として描き直したことです。
南極は、これまで見えていなかった大地が姿を現す場所でもあるのです。
そしてこの「露出」は、世界の資源に大きく関わってきます。


























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