白い縞模様が可愛い「オーストラリア固有の有袋類」はなぜ300個体まで減ったのか
フクロアリクイ(Myrmecobius fasciatus)は、「ナンバット」とも呼ばれるオーストラリア固有の有袋類です。
赤褐色の体に白い横縞が並び、長くふさふさした尾を持っています。
主食はシロアリで、細長い口を地面や倒木の隙間に差し込みながら食べ物を探します。
有袋類としては珍しく昼間に活動する動物であり、現存するフクロアリクイ科の動物は本種しかいません。
そのため絶滅すれば、一つの種だけでなく、系統そのものが失われることになります。
このフクロアリクイは、かつてオーストラリア南部の広い範囲に生息していました。
しかし、ヨーロッパ人の入植に伴ってアカギツネやネコが持ち込まれると、外来捕食者による被害が急増。
さらに、農地開発などによる生息地の減少や、火災の頻度・強さの変化も重なりました。
火災によって茂みや倒木が失われれば、フクロアリクイは隠れ場所を失い、捕食者にも発見されやすくなります。
こうして1970年代後半には、西オーストラリア州に残った個体を中心に、約300個体まで減少。絶滅の危機に瀕しました。
そこで1980年代には、研究者たちが残存個体群の生態調査を進めることになりました。
その成果を土台として、1994年には本格的な回復計画が作られ、西オーストラリア州政府やオーストラリア野生生物の保護協会などが外来捕食者対策を進めます。
キツネや野生化ネコを餌による駆除や捕獲で減らすとともに、捕食者が入れないフェンス付き保護区も設けられました。
さらにパース動物園では1987年から野生復帰を目的とした繁殖計画が始まり、1993年には動物園生まれの個体が初めて野生へ放されました。
飼育下で繁殖した個体と野生個体を安全な地域へ移すことで、失われた地域に個体群を作り直していったのです。
では、こうした保護活動はどのような結果になったでしょうか。






























