40年にわたる保護活動で最大10倍に増加!それでも保護を続ける理由とは
40年にもわたる地道な保護活動により、フクロアリクイの総数は2026年までに推定2,000〜3,000個体となりました。
最も少なかった時期と比べると、約6.7倍から最大10倍の回復です。
西オーストラリア州に残っていた個体群が増えただけでなく、西オーストラリア州、南オーストラリア州、ニューサウスウェールズ州には、新たな個体群も作られました。
IUCN(国際自然保護連合)によると、繁殖個体の野生復帰や野生個体の移送によって、少なくとも五つの自立した個体群が確立されています。
ここでいう自立した個体群とは、人間が絶えず個体を補充しなくても、その地域で繁殖しながら存続できる集団のことです。
この回復を受け、IUCNレッドリストの評価は「絶滅危惧(Endangered)」から「準絶滅危惧(Near Threatened)」へ変更されました。
準絶滅危惧とは、現在は「絶滅危惧」の基準には当てはまらないものの、近い将来に再び絶滅危惧種となる可能性がある状態です。
つまり、「もう安全になった」のではなく、「絶滅の危険が以前より一段階下がった」という意味です。
一方、オーストラリア連邦政府のEPBC法では、フクロアリクイは現在も「絶滅危惧」に指定されています。
IUCNによる国際的な評価と、オーストラリア国内の法的指定は別々の制度であり、一方の変更によってもう一方が自動的に変わるわけではありません。
そして、フクロアリクイが現在生息している範囲は、かつての分布域のわずか0.04%にすぎません。
キツネや野生化ネコも依然として存在しており、捕食者対策やフェンスの管理を止めれば、個体数が再び急減する恐れがあります。
総数約3,000個体も一つの種としてはまだ少なく、干ばつ、病気、大規模火災などが起きた場合に備え、個体数と生息地域の両方を増やす必要があるでしょう。
フクロアリクイの回復は、長く地道な保護活動が絶滅への流れを変えられること、その成果を守るには努力を続けなければならないことの両方を教えているのです。






























