タウナギは暖かい水で「卵巣から精巣への変化」が進む
タウナギは暖かい水で「卵巣から精巣への変化」が進む / ※画像はイメージです。Credit: Generated by Codex (gpt-image), ナゾロジー編集部
biology

「オスになっちゃう」- ナタウナギ温かい水で性転換する

2026.09.11 18:13:37 Friday

夏の田んぼの水は、足首までつかるとお風呂の残り湯みたい。

中国で盛んに養殖されている淡水魚のタウナギは、まずメスとして育ち、やがてオスに変わります。

どんな仕組みで変わるのかは、よく分かっていませんでした。

研究チームは、このタウナギを暖かい水で半年間育てると、卵巣が精巣へ変わり始めた魚がはっきり増えたと報告しました。

使ったのは、武漢の近くで採れた1歳半のメス。

無作為に2つに分け、片方は25〜26℃、もう片方は33〜34℃の水で6か月飼いました。

判定に使ったのは、生殖腺の組織の染色と、性別に偏って働く遺伝子の量。

半年後、卵巣の中に精巣の組織が現れた「卵精巣」の魚は、暖かい群でおよそ75%、涼しい群ではおよそ20%でした。

卵精巣は、メスからオスへ移る途中の段階です。

体の長さや重さは、2つの群で同じ程度でした。

研究チームは、仕組みが分かれば養殖で性別を制御する役に立つとみています。

では、なぜ水の温度を疑ったのでしょうか。

研究内容の詳細は2026年9月7日に『eLife』にて発表されました

Trpv4 links environmental temperature to testicular differentiation in hermaphroditic ricefield eel (eLife) https://doi.org/10.7554/elife.108272.4 TRPV4 associates environmental temperature and sex determination in the American alligator (Scientific Reports) https://doi.org/10.1038/srep18581
Trpv4 links environmental temperature to testicular differentiation in hermaphroditic ricefield eel https://doi.org/10.7554/elife.108272.4

性転換の始まりは「南の地域ほど早い」と報告されていた

性転換の始まりは「南の地域ほど早い」と報告されていた
性転換の始まりは「南の地域ほど早い」と報告されていた / ※画像はイメージです。Credit: Generated by Codex (gpt-image), ナゾロジー編集部

手がかりは、地域ごとの違いにありました。

野生のタウナギがオスへ変わり始める年齢や大きさは住む場所で違うと、以前から報告されていました。

インドネシアのバンドンでは1歳半、中国中部の武漢では2歳、北の天津では3歳と、報告のある地域では北ほど遅くなっていました。

年平均気温は武漢で17℃、天津で13℃、さらに南の海南では25℃です。

集めたのは、暖かい海南と武漢の2歳の野生の魚、およそ200匹。

2024年の夏に生殖腺を調べると、性転換の途中にある魚は海南のほうにずっと多かったのです。

武漢では、暖かい5〜7月の産卵期に、産卵を終えた直後の2歳のメスがオスへの道に入ることがあるとされてきました。

そこで研究チームは、水温だけを変えて確かめることにした。

調べたのは、30日、90日、180日の時点。

90日の時点で、卵精巣の魚はすでに暖かい群のほうが多くなっていました。

では、魚の体はどうやって水の温かさを感じ取っているのでしょうか。

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