ゾウが薬草で自分や子をケアする行動を報告
ゾウが薬草で自分や子をケアする行動を報告 / Photo by Chris Munnik on Pexels
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ゾウが薬草で自分や子をケアする行動を報告

2026.09.25 20:00:00 Friday

お腹がしくしく痛む夜、薬箱をかき回して、いつもの胃腸薬の箱をやっと探し当てる。

アフリカゾウも、具合が悪いときに「薬になる植物」を選んで口にしているのかもしれません。

ケニアのエルゴン山のあたりで、ゾウを間近で見てきた地元の人たちが、そんな場面を目にしてきたと証言しました。

中には、母ゾウが子ゾウに植物を与えていたという話もあります。

アメリカのブラウン大学やドイツ・ハンブルクの熱帯医学研究所などの研究チームが、その証言を集めて論文にまとめました。

ただし、これは地元の人たちの「見てきた話」をもとにした報告です。

研究内容の詳細は2026年9月24日に『Scientific Reports』にて発表されました。

Elephants use medicinal plants to treat themselves, researchers find (BBC Future) https://www.bbc.co.uk/news/articles/cv1j4yr6j2p0o?at_medium=RSS&at_campaign=rss
African elephants putatively self-medicate with medicinal plants in the Mount Elgon region, Kenya https://doi.org/10.1038/s41598-026-53610-4

ゾウが薬に使っているかもしれない植物は35種類

ゾウが薬に使っているかもしれない植物は35種類
ゾウが薬に使っているかもしれない植物は35種類 / ※画像はイメージです。Credit: Generated by Codex (gpt-image), ナゾロジー編集部

舞台は、ケニアのエルゴン山のまわりです。

このあたりは植物の種類がとても多い土地です。ケニアにしか生えない植物が特に多い場所の1つでもあります。

山には大きな洞窟がいくつもあります。ここのゾウは洞窟に入って牙で岩を削り、ミネラル(岩にふくまれる塩分など)をとって食べています。

そのため「塩を掘るゾウ」とも呼ばれ、前から科学者たちの興味を引いてきました。

研究チームは、このゾウたちを間近で見てきた8人に話を聞きました。

全員が地元の先住民族サバオトの人です。野生動物の見回り役や、引退したレンジャー(自然保護区の管理官)、村の長老などがいます。

8人とも、ゾウが植物などを選んで食べる姿を見てきました。そして、それが病気を治したり防いだりするのに役立つと考えています。

話をもとにまとめると、ゾウが薬として使っているかもしれないものは、23の科(植物の大きなグループ)にわたる35種類の植物と、4種類の土・ミネラル・粘土でした。

この地域のアフリカゾウで、こうした報告が出たのは初めてです。

その中の8種類の植物には、特別な話がついていました。見るからに具合の悪いゾウが、治すためと思われる様子で探して食べていた、あるいは母ゾウが子どもの健康のために与えていた、というのです。

キダチアロエというアロエの仲間や、イチジクの仲間の木などがこれにあたります。

研究チームはこう見ています。ゾウは今まで考えられていたより多くの種類の「薬」を持っていて、体の調子が悪いときにはそれを選んで食べられるのかもしれない、と。

ゾウは手当たりしだいに食べているのではなく、ねらって探している可能性がある、ということです。

ただし、これは「ゾウは薬を使っている」と証明した研究ではありません。

手がかりはすべて、地元の人たちが自分の目で見て覚えていた話です。

では、話を聞いただけで、どうやって「薬らしい食べ方」を見分けたのでしょうか?

そして母ゾウは、子どもにどうやって植物を与えていたのでしょうか?

次ページ話を聞くだけで「薬らしさ」をどう見分けた?

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