悲しみの療法に「アヤワスカ」を加えた理由

故人を恋しがる気持ちや故人のことばかり考えてしまう状態が長く続き、生活に支障が出るものは「遷延性悲嘆症(せんえんせいひたんしょう)」と呼ばれます。
特に家族を亡くしてから最初の1年は、心の病気や心臓・血管の衰え、自殺の危険が高まる時期です。
しかし、この時期に通常の心理的な支援や抗うつ薬を使っても、長引く悲しみを防ぐ高い効果は確かめられていません。
そこでチームは、「意味の再構成療法」というカウンセリングに、アヤワスカを組み合わせることにしました。
この療法は、つらい死の記憶を整理し、故人とのつながりを結び直し、残された自分らしさを立て直す3段階で、喪失を人生の物語に組み込んでいきます。
アヤワスカはつる植物の茎と低木の葉を煮出した飲み物で、葉の幻覚成分DMTが脳のセロトニン受容体(セロトニンという物質の受け取り口)を刺激します。
この種の幻覚剤は考え方の柔軟さなどを一時的に高めると報告されており、チームはそれが心の作業を後押しするのではないかと考えたのです。
参加したのは、この12か月以内に親や子どもなどごく近い家族を亡くし、重い悲しみを抱える大人84人です。
参加者は28人ずつ、3つのグループに順番に振り分けられました。
1つ目は、週1回のオンラインの意味の再構成療法を9回受けるグループです。
2つ目は、同じ療法に加えて、医師の見守りのもと週末の合宿でアヤワスカを飲む会に2回参加するグループです。
3つ目は、治療を何も受けないグループです。
チームは治療の前、直後、3か月後に、悲しみの重さなどをアンケートで測りました。
では、アヤワスカを加えたグループの悲しみは、ほかの2つとどう違ったのでしょうか。





















