アヤワスカを加えたグループに起きた変化とは?

まず、悲しみの重さは3つのグループすべてで軽くなっていました。
こうした全体の改善は悲しみの研究ではよく見られ、時間とともに喪失に慣れていくことや、支えのある試験に参加していること自体の良い影響を映している場合が多いとされます。
そのうえで、最も大きく悲しみが軽くなったのは、アヤワスカを加えたグループでした。
治療の直後にも3か月後にも、悲しみの重さと遷延性悲嘆症の症状の両方で、療法だけのグループや治療なしのグループより大きく減っていたのです。
一方、療法だけのグループと治療なしのグループの間には、はっきりした差は見られませんでした。
さらにアヤワスカを加えたグループでは、「心的外傷後成長(大きな危機と向き合う中で、人生をあらためてありがたく感じるなどの前向きな変化が生まれること)」も大きく伸びていました。
心の健康や人とのつながりの面でも、ほかのグループより良い点数が出ていました。
こうした改善は、治療が終わって3か月たっても保たれていました。
安全面では、アヤワスカによる体や心への負担は参加者が耐えられる範囲にとどまり、重い有害な出来事は報告されませんでした。
飲んだあと24時間以内に、精神科の薬が必要になった人もいませんでした。
ただし、飲んでいる最中に吐き気や嘔吐、下痢が出た人が16人、頭痛が出た人が4人、気を失った人と強い苦しさを感じた人がそれぞれ2人いました。
また、1人は最初の会のあと「アヤワスカの会に意味を感じない」として参加をやめ、4人は心の準備ができていない、用事があるといった理由で2回目を見送りました。
それでも、アヤワスカの会に「とても満足」と答えた人は81.5%にのぼりました。
もちろん、この研究には限界があります。
参加者はくじ引きのように無作為に振り分けられたのではなく順番に割り当てられ、本人も自分がどの治療を受けているかを知っていました。
そのため研究チームも、今回の結果はあくまで予備的な裏付けであり、より大規模な無作為化試験(くじ引きのように参加者を振り分ける試験)で確かめる必要があるとしています。
とはいえチームによると、この組み合わせの効果を、比べる相手のグループを設けたうえで治療の前から時間を追って調べた研究は、今回が初めてです。
今回試されたのはアヤワスカを単に飲むことではなく、医師の見守りと、悲しみの意味を組み直す対話とをセットにした治療でした。
深い悲しみに早い時期から支えの手を差し伸べる新しい方法が、少しずつ形になり始めているのかもしれません。





















