「思春期に孤独だった人」ほど大人になって不安定なものとは
「思春期に孤独だった人」ほど大人になって不安定なものとは / Photo by cottonbro studio on Pexels
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「思春期に孤独だった人」ほど大人になって不安定なものとは

2026.10.02 08:00:00 Friday

昼休みの教室で机に突っ伏して寝たふりをしながら、周りの笑い声だけを聞いていた記憶がある人もいるでしょう。

そうした「ひとりぼっち」の感覚は、学校を卒業すれば終わる話のようにも思えます。

けれども、その感覚は何年もたってからの「働き方」と本当に無関係なのでしょうか。

アメリカで10代の若者を大人になるまで追いかけた調査のデータを使い、思春期の孤独と、大人になってからの雇用の不安定さの関係を調べた研究が報告されました。

研究では、学校や近所への「愛着」がこの関係を変えるのかどうかも確かめています。

10代の孤独は、将来の仕事にどんな影を落とすのでしょうか。

研究内容の詳細は2026年9月1日に『Journal of Research on Adolescence』にて発表されました。

Adolescent loneliness and precarious employment in young adulthood: The moderating role of school attachment (Journal of Research on Adolescence) https://doi.org/10.1111/jora.70266
Adolescent loneliness and precarious employment in young adulthood: The moderating role of school attachment https://doi.org/10.1111/jora.70266

10代から大人まで追いかけた「きょうだい」のデータ

10代から大人まで追いかけた「きょうだい」のデータ
10代から大人まで追いかけた「きょうだい」のデータ / ※画像はイメージです。Credit: Generated by Codex (gpt-image), ナゾロジー編集部

いま若い大人の間では、不安定な働き方をする人が増えています。

けれども、10代のころの人とのつながりが大人になってからの働き方とどう関係するのかは、あまり分かっていませんでした。

そこで研究では、アメリカ全国から選ばれた80の学校の生徒を、長い年月をかけて追いかけた調査のデータを使いました。

最初の調査は1994〜1995年で、7〜12年生(日本の中学1年〜高校3年にあたる学年)が対象でした。働き方を調べた最後の調査は2008〜2009年に行われています。

分析に使われたのは、このうちきょうだいで参加していた3101人です。

10代の孤独は、「この1週間、寂しいと感じたか」「人に嫌われていると感じたか」「自分は愛され、必要とされていると思うか」など5つの質問への答えをまとめて、数字にしました。

以前ナゾロジーではこういう記事も紹介しています(「ボッチプレイ」が長い10代ほど大脳皮質の表面積が小さい傾向)

大人になってからの働き方は、収入、有給休暇の有無、労働時間、同じ仕事が続いている期間、仕事の数、年金や健康保険、職場で自分で決められる余地などから調べています。

これらをまとめて、0(最も安定)から5(最も不安定)までの「雇用の不安定さ」の点数にしたのです。

この研究の工夫は、同じ家庭で育ったきょうだい同士を比べる方法を使った点にあります。

きょうだいなら育った家庭の事情が共通しているので、その影響が結果に紛れ込むのを防げるからです。

では、10代で孤独を感じていた人は、大人になってどんな働き方をしていたのでしょうか。

次ページ孤独と将来の働き方のつながりが弱まっていたのは、どんな10代?

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