・最新の研究で、黒いプラスチックの中に「臭素」などの有害物質が確認される
・最も懸念すべきは「キッチン用品」であり、イギリスでは大手スーパーが黒いプラスチックの使用を停止
・同様の研究は、これまでにほとんど存在していなかった
私たちにとても身近な存在「プラスチック」。プラスチックに触れることなく1日を過ごすことは現代において困難といえるでしょう。しかし、そんなプラスチックに関するバッド・ニュースが飛び込んできました。
プリマス大学の最新の研究により、タンブラーやハンガーなどの日用品に含まれる「黒いプラスチック」に「重大な汚染」が広がっていることが示されたのです。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0160412018302125?via%3Dihub
研究者たちが蛍光X線を用いて600の黒いプラスチック製品を調査した結果、人体に害を与える可能性のある添加物が検出されました。具体的には臭素、アンチモン、鉛といったようなものです。
臭素は、発火を防ぐために電子製品に用いられることが多い元素です。しかし、その有害性から食品の容器や子どものおもちゃなど、人が口に入れる可能性のある製品には向きません。
「黒いプラスチックは、デザイン的には歓迎されます。しかしこの研究が、電子製品からリサイクルされたプラスチックが私たちの日用品を有害物質に変えてしまう可能性があることを示唆しています」と語るのは、研究をおこなったアンドリュー・ターナー氏です。彼はまた、「これは予期もしなかったし望みもしないニュースです。関連する研究が以前にはほとんどなかったことが要因でしょう」と述べています。
中でも最も懸念されるのは、食品容器を含む「キッチン用品」です。イギリスでは、大手スーパー・マーケットなどが「黒いプラスチック」の使用を止めることを消費者に約束しました。さらに、「黒いプラスチック」の影響は人体だけにとどまりません。研究者たちはその有害性について、海洋汚染等の環境への影響も懸念しています。
via: mentalfloss / translated & text by なかしー
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