ネコやオオカミは人間の動作に興味を示さない
フガザ氏らが行った実験は下記のような手順で行われました。
- 動物たちに対象となる物体を見せ、好きなように触らせる。
- 人間が先ほどの対象物に動物とは異なるやり方で触れる様子を見せる。
- 人間のやり方を見た後に、動物たちの触れ方が変わるかどうか観察する。
例えば、手順1で動物が「鼻」で対象物に触れていたら手順2で人間は「手」を使って対象物に触れます。逆に動物が手を使っていたら人間は「鼻」を使って触れ、動物がそもそも対象物に触れなければランダムで「手」か「鼻」で触れるようにしました。
手順2の際に、人間は「こっちを見てね」「こうやるといいのよ」といった声掛けを行い、動物の注意を引くようにしましたが、ネコやオオカミはそういった声掛けをしてなお、ほとんど人間のようすを見てくれませんでした。
人間の動作を見つめるまでの時間はイヌが最短
人間の動作を動物が見るまでの時間を計測すると、イヌはすぐに人間の方を見たのに対し、ネコやオオカミは4~5倍の時間がかかっていました。
つまり、イヌはネコやオオカミよりずっと人間の動きに興味を持っているということです。
なお、手順2では人間が席を外し、対象物のみ置いたゴースト試験も行われましたが、オオカミとネコはこの状態のほうが対象物に集中する傾向があり、人間の動きよりも見慣れない対象物への興味が大きいことが示唆されました。
このように、人間の動作を観察することができたイヌですが、特におやつなどのご褒美を与えられるわけではないこの状況で、人間の行動を真似することはあるのでしょうか?