主観的な感情を「身体マップ」で表現する取り組み
今回研究チームは、人々が愛を抱いた時に、それが身体のどこで、どの程度強く感じられるかを示す「身体マップ」を作成しました。
実験の参加者には、身体のシルエットを示したシンプルな絵が渡されます。
そして各自が、主観に沿って、愛を感じた時にどの部位がどの程度活性化したか、輪郭内を塗りつぶして表現しました。
これら参加者の主観的な情報をまとめたものが「身体マップ」であり、人々の感覚とその傾向を知るのに役立ちます。
あまり聞いたことのない方法ですが、この手法が用いられたのは、今回が初めてではありません。
2013年、アールト大学の研究チームは、この身体マップを使って、怒り、嫌悪、恐怖、悲しみ、驚きなどの14の感情によって身体のどこが活性化されるか示しました。
人々は、愛(love)や幸福(happiness)が全身を活性化すると感じており、憂鬱(depression)はその真逆でした。
また、怒り(anger)が腕を活性化しているのも興味深い情報だと言えます。
人々の「カッとなって手を出したくなる」感覚がよく表現されていると言えますね。
2018年には、フィンランドの研究グループが、より広範な「身体マップ」を作成し、認知機能、身体状態、病気などと主観的な感情がどのように関連するか調べました。
そして今回、リンネ氏ら研究チームは、様々な感情の中から「愛」だけをピックアップし、人々の主観的な身体マップを作ることにしました。