愛を感じる身体の部位はその種類によって大きく異なる
研究チームは、ロマンチックな愛、性的な愛、親が抱く愛、友人への愛、見知らぬ人への愛、自然への愛、神への愛、自分自身への愛など、27種類の愛について調査しました。
オンライン調査を通して参加者に自分の身体マップを描いてもらい、合計539(男性62、女性426、その他51)件のデータを使用しました。
参加者の多くは、高等教育を受けている若い女性だったようです。
そして参加者たちは、それぞれの種類の愛を身体のどこで感じたか、そしてその愛が肉体的および精神的にどれくらい強かったか、主観的に表現しています。
これらの情報をまとめて分析した結果、研究チームは、次の点を知ることができました。
まず、あらゆる種類の愛は頭で感じられるが、身体の他の部分では、愛の種類によって活性化が大きく異なるようです。
胸に広がるケースもあれば、体全体に広がるケースもあったのです。
例えば、恋愛の理想としてしばしば扱われる「ロマンチックな愛(romantic love)」は、胸を中心に上半身全体が強く活性化されています。
また「性的な愛(sexual love)」では、下腹部の活性化が特徴的です。
母親の子供に対する愛(mother‘s love for her child)は、胸が非常に強く強調されており、「心を傾けて愛情を注ぐイメージ」が強いのかもしれません。
ちなみに、「真実の愛(true love)」や「命に対する愛(love for life)」が身体全体で感じているのに対し、「道徳的な愛(moral love)」などは主に頭だけで感じているようです。
さらにリンネ氏は、身体全体で感じるタイプの愛と快感の間に強い相関関係があることも発見しました。
「ある種の愛が身体で強く感じられるなら、それが心でも強く感じられ、より心地よい感覚になる」というのです。
加えてリンネ氏は、愛には文化的な違いがあると指摘しています。
例えば同じ調査が宗教色の強いコミュニティで実施された場合、「神への愛」が際立つ可能性があるのです。
もちろん今回の身体マップは、人々の主観的なデータをまとめたものなので、身体的な機能との関連性を科学的に証明しているわけではありません。
それでも様々な愛の違いを表現する方法としては興味深いものだと言えます。
ある種の愛については、同感できるものがあったのではないでしょうか。
私たちが日々抱く様々な愛について、「自分はどこで強く感じているだろか?」と考えてみるのも楽しいかもしれません。