「周囲と異なっている人」に対する人々のイメージを探る
個が重んじられるアメリカでは、傑出した人物やオンリーワンな存在に注目が集まり、「好ましい存在」「憧れの存在」として扱われます。
「他の人と異なっていることは、かっこいい」と感じられるわけです。
協調性を重んじる日本などでも、こうした考えはある程度存在しています。
「ヒーローもの」の漫画や映画では、主人公が「他の人とは異なった才能を持つ者」としてよく描かれます。
また恋愛小説や漫画では、「ヒロインが周りから浮いた異端の男性に恋をする」ストーリーが定番だったりします。
とはいえ現実世界で、自分が他の人と異なっている場合、周りから実際にどのように見られているかは、簡単には分かりません。
自分では「トレンドに流されない独自の感性」を気取っていても、周りからは「逆張りオタク」だと思われていることもあるでしょう。
ハース氏ら研究チームが行った研究は、「大多数とは異なっている人」を人々がどのように見ているのかを明らかにしました。
この情報は、いくらか自分を客観視するのに役立つかもしれません。
「異端の感性」か、それとも「逆張り」か
今回研究チームは、いくつかの調査を通して、2つのタイプの「周囲とは異なる人」について、アメリカの人々がどのようなイメージを持っているか調べました。
その2つのタイプとは、「異端の感性(Mavericks)」と「逆張り者(Contrarians)」です。
「異端の感性」とは、自分に確固たる意見があり、周りに流されない人のことです。
「逆張り者」とは、投資用語から転じたネットスラングであり、一般的な意見とはあえて逆を主張する人のことを指します。「天邪鬼」とも言えます。
では、人々はこれらの2タイプに対してどのような印象を持っているのでしょうか。
(※調査結果は、アメリカ人の考えの傾向を示すものの、固定観念や偏見が大いに含まれるため、結果に「正当性」があるわけではありません。)
最初の調査では、「異端の感性」や「逆張り」として、どんな有名人が挙げられるか調べました。
その結果、異端の感性には、ボーカリスト・シンガーソングライターの「ビリー・アイリッシュ」や、映画スターの「ジョニー・デップ」などが挙げられました。
一方、逆張りには、シンガーソングライターの「レディー・ガガ」や、モデル・女優の「キム・カーダシアン」などが挙げられました。