米国では「異端の感性」はリーダーシップ、「逆張り」は創造性と関連付ける
次の研究では160人の参加者が選ばれ、彼らは、「異端の感性」や「逆張り」に対する印象(仕事、性格、能力など)を回答しました。
その結果、異端の感性の方が逆張りよりも肯定的に見られていると分かりました。
参加者たちは、異端の感性に対して「高い能力を持つ」「リーダーシップがある」と考えており、CEOや起業家などの職業と関連付けました。
一方で参加者は、逆張りに対して、「温かさや協調性を犠牲にして、多数派との差別化を図る人」「外見を重視する人」「創造性が高い人」だと考え、ミュージシャンやアーティストのようなクリエイティブな職業と関連付けました。
また、異端の感性を持つ人はより陽気で有能であると見なされ、逆張り者はより社交性が高く神経質であると見なされたようです。
どうして逆張りは、「協調性がない」のに「社交性が高い」とも見なされるのでしょうか。
ハース氏によると、「意図的に多数派を避けたり、社会に溶け込むことを拒んだりするには、社会や集団が行っていることを正しく理解し、計画的にその逆を行かなければいけないからだ」と説明しています。
加えて、260人の参加者を対象にした追加の研究では、2タイプに対して参加者たちが次のような偏見を持っていることも分かりました。
異端の感性は、「年上」「男性に多い」「人生に満足している」「良心的」などです。
一方、逆張りは、「若い」「女性に多い」「人生に満足していない」「承認欲求」などです。
もちろん、これらはアメリカの参加者が抱く一方的な考えであり、決してこの見方が正しいわけではありません。
日本などの協調性を重んじる国や地域などでは結果が異なる可能性があります。
それでも今回の研究は、自分が多数派ではない場合に、人々からどのように見られているかを推察するのに役立ちます。
結果からは、人々がトレンドとは反対の意見を出す人に対して、期待している資質や特性があるということがわかります。
そのため自分では「異端の感性」だと思っていても、能力やリーダーシップが低く、不満ばかり口にしているなら、人々からは「逆張りオタク」だと見られているかもしれません。
またレディー・ガガのように突出した「逆張り者」になりたいと思っていても、創造性や社会への理解度が低く、計画性もないなら、逆張り者ですらなく、単に「協調性のない凡人」としか見られないのかもしれません。
今後研究チームは、アメリカ以外の国で、この2タイプがどのような印象を持たれているのか調査したいと考えています。