コウモリは「目隠し」しても普通に飛べる
コウモリは暗闇でも木々や建物の壁にぶつかることなく、ヒラヒラと空を飛ぶことができます。
これは彼らがエコロケーションの使い手だからです。
コウモリは口から超音波パルスを発することで、その反射音を大きな耳で拾い上げ、周囲の物体までの距離や大きさ、獲物の位置などを検出することができます。
そのため、彼らが空を飛ぶのに視覚に頼る必要はありません。
実験ではコウモリの耳を塞ぐとうまく飛べなくなるのに、目隠しをするだけでは飛行に何の支障もないことが明らかにされているのです。
一方で、盲目の視覚障害者の中にもエコロケーションを使える人がいます。
彼らは主に舌打ちでクリック音を発したり、杖で地面をコツコツ叩いたり、足音を踏み鳴らすことで、その音の跳ね返りを耳で拾い上げて、コウモリと同じように周囲の環境を把握することができるのです。
熟練したエコロケーションの使い手にもなると、自転車に乗ったり、バスケットボールを楽しむこともできるといいます。
まさに彼らは音で世界を見ることができるのです。
さらにダラム大学による2021年の研究で、エコロケーションを使えるのは盲目の方々だけではないことも判明しました(PLOS ONE, 2021)。
では、その習得方法を具体的に見てみましょう。