「雨乞い」の後に本当に雨が降りやすくなっていた理由が判明――祈りは効かない。だが当たる
「雨乞い」の後に本当に雨が降りやすくなっていた理由が判明――祈りは効かない。だが当たる / Credit:Canva
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「雨乞い」の後に本当に雨が降りやすくなっていた理由が判明――祈りは効かない。だが当たる

2026.07.17 22:00:24 Friday

米国のイェール大学(Yale University)などで行われた研究によって、237年分の教会と市の記録を分析したところ、雨乞いの祈りのあとに雨が降る確率が、ほぼ倍に跳ね上がっていたことが明らかになりました。

研究では、この背後に隠れていた仕組みが地域による「雨のクセ」という確率の偏りにある、と研究チームは解釈しています。

実際「雨が降らない日が長引くほど、次の雨が近づいてくる」という雨のクセを持つ地域の人々は「雨乞い」をする確率が47%高いという関連が示されました。

研究者も「なぜこのような信仰が一部の地域にはあり、他の地域にはないのか、その理由を説得力のある形で説明できる」と述べています。

研究内容の詳細は2026年5月11日に『Quarterly Journal of Economics』にて発表されました。

Praying for Rain https://doi.org/10.1093/qje/qjag026

雨乞いは分が悪い賭けのはずだった

雨乞いは分が悪い賭けのはずだった
雨乞いは分が悪い賭けのはずだった / Credit:Canva

雨乞いは、人類の歴史の中で何度も現れました。

作物が枯れ、井戸が細り、家畜が弱っていくとき、人々は空に向かって祈りました。

しかし、雨乞いには大きな弱点があります。

それは、答え合わせがすぐ来てしまうことです。

魂の救済や死後の世界をめぐる信仰なら、結果を日付つきで確認することはできません。

けれど雨乞いは神や信仰など宗教的な要素も抱えつつ、実際の結果を求められるシビアさがついて回ります。

実際、祈ったあとに雨が降れば、「効いた」と見なされますが、降らなければ、「効かなかった」と見なされてしまいます。

最悪の場合、怒った人々によって、神の祠そのものが壊されることさえありました。

世界には様々な「天に向けての祈り」があるなかで「雨乞い」ほど分が悪いものはないでしょう。

「人間には制御できない事象について、人間が結果責任を負う」というコンセプト自体、成り立ちようがないはずだからです。

紀元前3世紀の中国の思想家・荀子もこう書き残しています。

「雨乞いをして雨が降ったからといって、何の意味もない。雨乞いをせずに雨が降るのと、同じことだ」

にもかかわらず、なぜ「雨乞い」は滅びなかったのでしょうか?

答えを得るため研究者たちはまず世界各地に住む1208の民族集団と彼らの住む土地の「雨のクセ」に着目しました。

すると、その中に3つのパターンが浮かび上がってきました。

1つ目は「確率が変わらない土地」でした。5日晴れが続こうが、50日続こうが、翌日の降雨確率はほとんど変わらない土地です。

2つ目は「降水確率が下がっていく土地」でした。雨が降った直後ほど次の雨も近く、乾きが続くほど雨はむしろ遠くなるタイプでした。

3つ目は、乾きが長引いた末に、降水確率がふたたび上がってくる土地でした。このような土地では、干ばつが長続きするとき、最後に雨が降ってから時間がたつほど、翌日に雨が降る確率が上がっていきます。

この3タイプのうち「上がっていく土地」に目をつけると雨乞いが当たる仕組みが見えてきます。

「上がっていく土地」では「十分に長く干ばつが続いた状態」というのは、雨が降る確率が高くなっていることに他ならないからです。

このような土地では、人々が「もう雨が必要だ」と感じて祈りを始める時期と、自然の側で「そろそろ雨が近い」時期が重なります。

すると、人々から見れば祈ったあとに雨が降り「祈りが届いた」ように見えてきます。

実際、研究チームはこの「上がっていく土地」の集団は、そうでない集団に比べて、雨乞いをする確率が47%高くなっていることを突き止めました。

つまり雨乞いは、祈りが雨を呼んだから生き残ったのではありません。

もともと当たりやすい土地でだけ、生き残ったのです。

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