日本人が120年越しの「正三角形パズル」の謎を数学的に解明
日本人が120年越しの「正三角形パズル」の謎を数学的に解明 / Credit:Erik D. Demaine et al . arXiv (2024)
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日本人が120年越しの「正三角形パズル」の謎を数学的に解明 (3/3)

2025.03.17 17:00:08 Monday

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3ピース以下は不可能、でもここからが始まり――進化する分割の最前線

日本人が120年越しの「正三角形パズル」の謎を数学的に解明
日本人が120年越しの「正三角形パズル」の謎を数学的に解明 / FIG5は、正方形側での切断パターンを分類・整理した図です。 この図では、正方形の辺や内部に入る切れ目(カットライン)がどのように配置されるか、そのパターンの「型」をいくつかのグループに分けて示しています。 つまり、正方形を分割する際に、どの部分がどのように切られ、どのピースが形成されるかという全体像を、いくつかの代表的なケースとして視覚化しているのです。 これにより、研究者は正三角形側の切断パターンとの対応関係を詳細に検討し、「3ピース以下で両者を一致させる」可能性を体系的に絞り込むことができるようになっています。/Credit:Erik D. Demaine et al . arXiv (2024)

今回の研究は「正三角形から正方形へ、最も少ないピース数で変換する」という難題に、120年以上越しの明確な答えを与えました。

しかし、これですべてが解決したわけではありません。

むしろ、“3ピース以下では不可能”と示されたからこそ、今後は例えばピースを裏返してもよいのか、曲線で切ればどうなるのか、といった新たな疑問が浮上しています。

また、正三角形と正方形の組み合わせに限らず、多角形どうしの分割パズルや、三次元形状の分割最適化なども視野に入ってきます。

マッチングダイアグラムという手法は、一見単純なパズルの背後にある構造を論理的に整理し、多方面へ応用できる可能性を示唆してくれます。

たとえば薄い素材を無駄なくカットする工程や、ロケットの燃料タンクを効率よく切り出す設計などにも、最小ピース数の考え方が直接活かされるかもしれません。

実際、ピース数の少なさはそのままコスト削減や生産効率の向上に結びつくこともあり、学術界だけでなく産業界からも注目を集めています。

今回の成果は、数学やパズルの歴史だけでなく、ものづくりの未来にも大きな影響を与えうるものと言えるでしょう。

そうした広がりを踏まえれば、さらに新しい図形組み合わせや条件下での最適解を追求する研究も、今後ますます進んでいくと期待されます。

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