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physics

統一理論完成か?重力と電磁気力を統合できる理論が発表された (2/3)

2025.04.18 17:00:52 Friday

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電磁気は「時空のそのもののシワ」だった

電磁気は「時空のそのもののシワ」だった
電磁気は「時空のそのもののシワ」だった / Credit:Canva

電磁気は空間のシワに過ぎないのか?

謎を解明すべく研究者たちはコンピューターの中に“宇宙サイズのシーツ”を敷き、そのシーツが自分でシワをできるだけ減らそうともがく様子を観察することにしました。

最初の手順ではシーツの四隅をほんの少しだけピンと張ります。

ここで言う「張る力」は、重い星やエネルギーが周囲の時空を引っぱる働きに相当します。

ところが現実のシーツと同じように、どんなに丁寧に伸ばしても完全にはシワが消えません。

布目が密集した部分と緩んだ部分がまだら模様で残り、それぞれが場所によって引っぱり具合を微妙に変えています。

次に研究チームは、その残った折れ目を「磁石がN極とS極を作るときの輪郭線」「風船に静電気を帯びさせたときのモジャモジャした電気の線」に置き換えて色分けしてみました。

すると驚いたことに、シーツの折れ目の濃淡が、教科書でおなじみの電場や磁場の図とほぼピタリ重なったのです。

「濃い縫い目が集まった所=電気が強い」「縫い目が渦を巻く所=磁石の周りでコンパスが回る場所」といった具合に、日常の電気・磁気現象がそのまま布の模様として浮かび上がりました。

さらに折れ目マップの上に仮想のビー玉を置き、そっと転がしてみると、ビー玉は外から手で押さなくても、折れ目の傾きに沿ってスーッと曲がる軌道を描きます。

その軌跡を物理の数式に写し取ると、まさにローレンツ力――「荷電粒子が電場と磁場から受ける力」と一致しました。

つまり電気力や磁力は、見えない“紐”が粒子を引っ張っているわけではなく、「ここは布がわずかに縮んでいるから滑りやすい」という地形効果だった、というわけです。

この布をさらに顕微鏡的に拡大すると、電子が内部で毎秒10兆回以上プルプル震える“ジッターバタバタ(Zitterbewegung)”と呼ばれる量子現象や、電子の電荷が地球上どこでもまったく同じ大きさになるという不思議な規則性までも、折れ目の細かな凹凸が生み出している兆候が現れました。

折れ目の深さや向きが一定の“目盛り”を作り、それが電荷量 e のような自然界の基準値を決めている可能性が見えてきたのです。

(※最小の折れ目幅 が e(電荷が「粒々」になる理由)に対応していたわけです。)

当然ながらこれらの一致は、研究者たちが裏操作をした結果ではありません。

仮想空間に作った宇宙とその時空の様子をシミュレートした結果、自然と時空のシワから電磁気学の法則や電子の電荷が出現したのです。

この結果から研究者たちは、電磁気は時空のシワに起源がある可能性があると結論しました。

もちろん、これはシミュレーション上の“紙の宇宙”で起きた出来事です。

本物の宇宙でも同じことが起きているかを確かめるには、重力波のように時空そのものが震える現場と、超高強度レーザーが生む強烈な電磁場とを同時に扱える実験が必要になります。

けれど LIGO の重力波観測やペタワット級レーザーの登場により、「縦にたわむ重力のシワ」と「横に縮む電磁気のシワ」が交差する極限環境を作り出す準備は整いつつあります。

もしそこで布目の変形が実際に捉えられれば、教科書の“電場と磁場の矢印”は「時空に走る細かな縫い目」という新しい図に差し替わり、重力と電磁気は一枚布の模様違いにすぎなかった――そんな壮大な絵が現実になるかもしれません。

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