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Credit: Zhirong Yang et al., Nano Letters (2025)
biology

【衝撃】クマムシに「タトゥーを彫る」技術の開発に成功! (2/2)

2025.04.24 23:00:00 Thursday

前ページ銃弾に入れられて発射されても死なないクマムシ

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クマムシにタトゥーを刻む「氷の彫刻法」とは?

今回開発された「アイス・リソグラフィー」は、生きた生物の体表面に直接パターンを形成する画期的な手法です。

その手順を見てみましょう。

まず、クマムシをゆっくりと脱水させ、乾眠状態にします。

次に、炭素複合紙の上にクマムシを配置し、−143℃まで冷却した後、表面を「アニソール」という有機化合物の保護層で覆います。

アニソールも凍るので、クマムシは極薄の氷の層で覆われることになります。

次に、電子ビームを用いてこの氷の層に微細なパターンを彫り込みます。このとき、アニソールが保護幕としてクマムシを傷つけないように守ってくれます。

そしてビームの照射によってアニソールが化学反応を起こし、生体適合性の新たな化合物が生成され、それがクマムシの表面に定着します。

その後、真空中でクマムシを室温まで温めると、未反応のアニソールが自然と気化し、ビームによって刻んだパターンだけが残るのです。

これがタトゥーとなります。

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タトゥーを彫られたクマムシ/ Credit: Zhirong Yang et al., Nano Letters (2025)

そして再び水を与えてクマムシを蘇生させると、パターンをまとったまま元気に動き始めるのです。

この手法により、最小で72ナノメートル幅の点や線、さらには大学ロゴまで、多様な微細構造を形成することができました。

実験では、処置を施されたクマムシの約40%が生存し、その後の行動にも悪影響は見られませんでした。

これはアイス・リソグラフィー技術が生体に与える影響が極めて少ないことを意味しています。

ただ現時点で、この過酷なタトゥーを生きたまま耐えられるのはクマムシくらいでしょう。

今後、この技術はバイオセンサーや医療デバイスの表面加工、生きた組織へのマイクロデバイスの搭載など、さまざまな応用が期待されています。

また、極限環境下でのバイオ材料研究や、微生物サイボーグといった未来技術の土台にもなる可能性があるとのことです。

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【衝撃】クマムシに「タトゥーを彫る」技術の開発に成功! (2/2)のコメント

ゲスト

またクマムシいじめてる…。

ゲスト

中国人ってクマムシに恨みでもあるの?

 

タトゥーで6割死んだら死に過ぎじゃない?

ゲスト

クマムシさん仕事を選ばない

ゲスト

2023年の英語の共通テストで出てきてずっと恨んでたけど、なんかクマムシのほうが人間恨んでる気がしてきた。ごめん、受かったのに今までずっと恨んでて。
それにしてもすごいな、応用が限られてるからこの先どうなるかちょっと気になる

ゲスト

このクマムシ達温泉入らなくてキレてた

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