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警備員への待遇の悪さが安全を揺るがしている / Credit:Canva
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警備員の「低賃金」「訓練不足」が一般市民を危険にさらしている

2026.04.28 11:30:09 Tuesday

ショッピングモールや駅、病院などでトラブルが起きたとき、真っ先に駆けつけるのは誰でしょうか。

ニュースで危険な出来事を耳にすることもありますが、現地で人々の安全を守ろうとしているのはだれでしょうか。

警備員たちです。

しかし実は、その“最前線の守り手”の多くが、十分な報酬や訓練を受けていない可能性がああります。

アメリカのカリフォルニア大学バークレー校(UCB)は、州内に約18万6000人いる民間警備員について、統計データをもとに賃金や労働環境、離職率などを分析し、その結果を報告しています。

この報告書は、UC Berkeley Labor Centerが2026年4月に公表したものです。

Low wages, poor training put security guards — and the public — at risk, study finds https://news.berkeley.edu/2026/04/23/low-wages-poor-training-put-security-guards-and-the-public-at-risk-study-finds/ Demographic and Job Characteristics of the Security Guard Workforce in California https://laborcenter.berkeley.edu/demographic-and-job-characteristics-of-the-security-guard-workforce-in-california/

警備員への待遇の悪さが明らかになる

警備員という仕事は、私たちの日常に深く関わっています。

商業施設や病院、学校、建設現場など、あらゆる場所で人々の安全を守り、トラブルの仲裁や危険の初期対応を行います。

こうした役割の重要性から「エッセンシャルワーカー(社会維持に不可欠な職種)」にも位置づけられています。

警備員は暴力的な状況に直面することもあり、決して負担の軽い職業ではありません。

それにもかかわらず、その待遇や訓練がどの程度整っているのかは、これまで十分に注目されてきませんでした。

そこで研究チームは、「社会の安全を担う仕事に対して、現実の労働条件は見合っているのか」という問いを出発点に調査を行いました。

研究では、アメリカ国勢調査の一部であるアメリカン・コミュニティ・サーベイ(2019〜2023年)や労働統計データを用い、カリフォルニア州の民間警備員の賃金、労働時間、保険の有無、離職率の推移などを分析しました。

これは州全体の労働統計を使って、約18万6000人規模の警備員労働市場の実態を把握する調査です。

その結果、警備員の多くが低賃金で働いており、生活に必要な収入を得られていないこと、さらに離職率が極めて高いことが明らかになりました。

つまり、人々の安全を守る責任が大きい仕事であるにもかかわらず、その仕事を支える賃金や保険、訓練の仕組みが不安定であることが示されたのです。

より詳細な結果とこの問題が及ぼす影響を次項で見てみましょう。

次ページ低賃金・訓練不足・高離職が生む“安全の不安定さ”

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