世界中で施行される「レジ袋有料化」
2020年7月以来、日本ではプラスチック製買物袋(いわゆるレジ袋)の有料化が開始されました。
環境省によると、このレジ袋有料化は、国民に「環境のためにできることはなんだろう」と考えるきっかけを与えることが目的でした。
例えば、この政策をきっかけに「マイバックを持ち歩く習慣が生まれる」など、一人ひとりのライフスタイルが変化するかもしれません。
では、このような政策により、どのような結果が生じたのでしょうか。
環境省の報告(PDF)によると、レジ袋有料化になって数カ月で、1週間レジ袋を使用しなかった人の割合が30.4%から71.9%へと変化しました。
またレジ袋の国内流通量は、有料化前(2019年)と有料化後(2021年)で、約半分(20万t → 10万t)になりました。
さらに、マイバックを持参する人が目に見えて増加しています。
レジ袋有料化による直接的な変化は確かに生じたのです。
一方で、無料レジ袋が家庭用ゴミ袋としても活躍していたことから、レジ袋有料化によって、プラスチック製のゴミ袋の購入や消費が増加するのではないかと懸念されてきました。
この懸念はレジ袋有料化を行っている他の国でも同様に生じています。
そして人々や袋メーカーの強い反対によって、レジ袋有料化の政策が撤廃されることもあります。
例えば、テキサス州ダラスでは、2015年からレジ袋に5セント(約7.7円)の料金を課すようになりましたが、市がレジ袋メーカーから訴訟を起こされ、たった5カ月でこの政策は撤廃されました。
またテキサス州オースティンでは、2013年に無料レジ袋が禁止になりました。
しかし2018年にはテキサス州の最高裁判所によって、「州全体でレジ袋の有料化を禁止する」という判決が下り、オースティンでのレジ袋有料化は5年で終了しています。
日本でも「レジ袋有料化の撤廃」を求める声が上がっているため、これらの国で撤廃の後どうなったか気になりますね。
今回、ハイ・チェ氏ら研究チームはこの2つの都市(ダラス、オースティン)における「レジ袋有料化とその撤廃」が人々の行動にどのような影響をもたらしたか報告しました。