低賃金・訓練不足・高離職が生む“安全の不安定さ”
調査の結果は、警備員の置かれた状況の厳しさを具体的な数字で示しています。
カリフォルニア州における警備員の中央値の時給は20.09ドルで、州全体の労働者の中央値時給28.16ドルを大きく下回っていました。
さらに44.5%が「低賃金労働者」に分類され、約80%は生活に必要な水準の賃金に届いていません。
加えて、福利厚生も十分とは言えません。
フルタイムで働く人が多いにもかかわらず、本人または同じ世帯の家族の雇用主・労働組合を通じて健康保険を得ている人は54.4%にとどまり、低賃金層では44.7%まで下がります。
現場で危険に直面する可能性がある仕事でありながら、医療面の備えが弱い人が少なくないのです。
そして特に重要なのが、離職率の高さです。
警備サービス部門の年間離職率は、2024年のカリフォルニア州で91.6%に達していました。
これは、従業員数に対して非常に多くの人が毎年職場を離れていることを意味します。
現場の顔ぶれが短い期間で大きく入れ替わりやすい職場だということです。
人が定着しなければ、経験やスキルの蓄積も難しくなります。
過去の研究では、離職率が上昇すると業務の質が低下することが示されています。
実際に空港の保安検査では、離職率の上昇に伴って危険検知能力が低下するという結果も報告されています。
さらに問題を深刻にしているのが、訓練の不足です。
警備員はトラブルの仲裁やルールの徹底など、警察に近い役割を一部担うことがあります。
しかし訓練内容は地域によってばらつきがあり、最低限にとどまるケースも少なくありません。
その結果、現場で求められる判断力や対応力が十分に育たないまま、実務に就いている可能性があると指摘されています。
これらの要素は、互いに絡み合っています。
低賃金は、人材が定着しにくくなる一因だと考えられます。
人が定着しなければ経験やスキルは蓄積されず、サービスの質が安定しません。
そこに訓練不足が重なれば、複雑で危険な状況への対応力も下がりやすくなります。
つまりこの研究が示しているのは、警備員の労働環境の問題が、そのまま公共の安全の問題につながるという構造です。
安全を守る人たちの基盤が不安定であれば、その安全自体もまた不安定になるのです。



























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