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/ Credit: Ning Li et al., Scientific Reports(2025)
paleontology

頭骨がほぼ完全に残っていた!ジュラ紀にいた「新種の首長恐竜」を発見

2025.06.05 12:00:00 Thursday

中国北西部の甘粛(かんしゅく)省で、約1億6500万年前のジュラ紀の地層から、驚くべき保存状態の恐竜化石が発見されました。

中国地質大学(CUG)の調査で、この化石は新種の首長恐竜(竜脚類)として正式に記載され、新たに「ジンチュアンロング・ニエドゥ(Jinchuanloong niedu)」と命名されています。

注目すべきは、発見された化石が「ほぼ完全な頭骨」を含んでいた点です。

巨大な竜脚類の頭骨は非常にもろく、化石として残ることは稀であるため、これは貴重な化石となります。

研究の詳細は2025年5月23日付で科学雑誌『Scientific Reports』に掲載されました。

Nearly complete dinosaur skull reveals a new sauropod species from East Asia https://phys.org/news/2025-06-dinosaur-skull-reveals-sauropod-species.html Well-preserved dinosaur skull belongs to new sauropod species https://www.popsci.com/science/china-dinosaur-skull/
A new eusauropod (Dinosauria, Sauropodomorpha) from the Middle Jurassic of Gansu, China https://doi.org/10.1038/s41598-025-03210-5

頭骨がほぼ完全な形をとどめていた!

この恐竜化石は、甘粛省の「新河層群」と呼ばれる地層から発見されました。

地質学的には中期ジュラ紀のバトニアン後期(約1億6500万〜1億6800万年前)にあたります。

発見された部位は、下顎を含むほぼ完全な頭骨、首の骨(頸椎)5本、尾の骨(尾椎)29本などです。

こちらが頭骨の化石画像。

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Credit: Ning Li et al., Scientific Reports(2025)

頭骨の長さは約31センチメートル。

まだ若い個体と見られますが、それでも全長は10メートルに達したとみられ、成体ではさらに大きくなった可能性があります。

頭骨と首の骨は連結して保存されており、これも非常に珍しいことでした。

竜脚類(首長恐竜)はその進化の初期に「真竜脚類(Eusauropoda)」というグループが誕生しています。

その後、真竜脚類の中から新たなグループ「新竜脚類(Neosauropoda)」が進化しました。

化石の分析から、今回の新種には真竜脚類の特徴(たとえば、スプーン状の歯や楕円形の鼻孔)と、新竜脚類に見られるような進化的特徴(上顎骨に小孔があることなど)の両方が認められています。

研究者たちは、この恐竜が真竜脚類のなかでも「新竜脚類へと進化していく途中のグループ」に属すると判断しました。

次ページ化石から浮かび上がる「過去の物語」

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