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Credit: Rijksmuseum Amsterdam
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200年前のコンドームに「過激すぎる絵」が描かれていた! (2/2)

2025.06.06 23:00:46 Friday

前ページコンドームに描かれた過激な絵とは?

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ギリシャ神話「パリスの審判」のパロディの意味とは?

ギリシャ神話「パリスの審判」のパロディであるというのは、このコンドームに描かれた風刺画が、神話の有名な場面を性的かつ風刺的に置き換えたものだという意味です。

「パリスの審判」とは、トロイアの王子パリスが、3人の女神―ヘラ、アテナ、アフロディーテ―の中で「誰が最も美しいか」を決めるよう命じられた有名なギリシャ神話の一場面です。

パリスの審判を題材にして描かれた絵画がこちら。

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ルーベンスの『パリスの審判』1636年/ Credit: ja.wikipedia

それぞれの女神は賄賂を用いてパリスの支持を得ようとし、最終的に「世界一の美女ヘレンを与える」と約束したアフロディーテがパリスによって選ばれます。

この選択がのちにトロイア戦争を引き起こす原因となったことは有名な話であり、映画『トロイ』にも描かれました。

今回の風刺画では、この「美しさの審判」を、性的魅力の選択として置き換えています。

椅子に座った修道女が、3人の聖職者を前に脚を開き、その中の1人を指さして「Voilà mon choix(これが私の選んだ相手)」と宣言する構図は、まさにパリスの審判の構造を模しています。

ただし神話における「美の審判」が、ここでは「性的な選択」へと変換されているのです。

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Credit: Rijksmuseum Amsterdam

つまり、この図は神話の崇高な題材をあえて下世話にパロディ化し、宗教的禁欲や聖職者の偽善を風刺しているのです。

当時の人々の価値観やタブーを、皮肉と笑いで揺さぶる目的が込められた表現といえるでしょう。

およそ200年前のコンドームに描かれた過激な画は、単なる卑猥な戯画ではなく、当時の社会に対する風刺であり、同時に私たちに「性とは何か」を問いかける貴重な文化資料ともなっています。

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