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「何でもカンニング」を支援する企業 / Credit:Canva
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「何でもカンニング」を支援するAIツール企業が22億円を調達

2025.06.24 11:30:31 Tuesday

AIツールを利用すれば、カンニングは難しくないかもしれません。

そんな物議を醸すテクノロジーを堂々と提供しているのが、サンフランシスコ拠点のスタートアップ企業「Cluely」です。

2025年6月、この企業の創業者は「1500万ドル(約22億円)の資金調達を行った」とエックスで報告し、大きな注目を集めました。

Columbia student suspended over interview cheating tool raises $5.3M to ‘cheat on everything’ https://techcrunch.com/2025/04/21/columbia-student-suspended-over-interview-cheating-tool-raises-5-3m-to-cheat-on-everything/ Cluely, a startup that helps ‘cheat on everything,’ raises $15M from a16z https://techcrunch.com/2025/06/20/cluely-a-startup-that-helps-cheat-on-everything-raises-15m-from-a16z/

「カンニング支援」企業Cluelyとは?

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私たちの生活にAIは浸透してきた / Credit:Canva

AIの進化によって、私たちの生活は大きく変化しています。

文章の自動生成や画像の解析、音声認識といった技術は、教育やビジネスの現場にも深く入り込みつつあります。

しかし、その一方で、「AIを使ってズルをする」という新たな問題も浮上しています。

Cluelyは、まさにこの“ズル”の可能性に着目した企業です。

創業者は21歳のChungin ”Roy” Lee氏とNeel Shanmugam氏。

彼らはコロンビア大学の学生でしたが、ソフトウェアエンジニア向けの技術面接でカンニングを可能にするAIツール「Interview Coder」を開発。

このカンニングツールの開発が問題となり、彼らは大学から停学処分を受け、後に中退します。

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もともとは、「技術面接のカンニング」を支援するツールだった / Credit:Canva

そして、この経験をもとに、2025年初頭にCluelyを設立しました。

もともと「Interview Coder」は、LeetCode(大手IT企業の技術面接で頻出のプログラミング問題を集めたオンライン学習プラットフォーム)などのコーディング問題にリアルタイムで答えを出す支援ツールでした。

しかし現在では就職面接、営業トーク、学術試験など“あらゆる場面でのカンニング”を支援するAIアシスタントへと進化しています。

CluelyのAIは、ユーザーの画面と音声を解析し、必要な情報や回答をリアルタイムで提示します。

重要なのは、このツールが非常に巧妙に作られており、Zoomなどのビデオ会議や画面共有に一切映り込まない点です。

面接官や監督者には存在が分からない“透明なカンニングパートナー”として機能するのです。

この特性を強調する形で、Cluelyは話題性を狙ったプロモーション動画を公開しました。

Lee氏が高級レストランで女性とのデート中、AIの指示をこっそりと受け取りながら年齢や芸術知識について語るという内容で、視聴者の間で賛否両論を呼びました。

Cluelyのスローガンは、”Cheat on everything(すべてでズルを)”であり、彼らのAIツールはまさにそれを体現したものとなっています。

そしてこの企業の前進は止まらないようです。

次ページCluelyが22億円の資金調達を報告!彼らが目指す「誰もズルをしない世界」とは?

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