長い通勤は眠りをむしばむ?
朝のラッシュアワー、帰宅ラッシュ、ギュウギュウ詰めの電車内など。
働く多くの人が毎日経験している「長い通勤時間」。
実は、こうした長時間の通勤は、不眠症や日中の眠気を引き起こしやすいことが、最新の研究で明らかになっています。
今回の研究では、東京都23区へ通勤する40~59歳の有職者を対象に、通勤時間と睡眠の質の関係を調べました。
その結果、通勤時間が片道50分を超える人は、不眠症になるリスクが1.35倍に増加することがわかったのです。

なぜ通勤時間が長いと眠りの質が悪くなるのでしょうか?
その理由のひとつは「物理的な睡眠時間の減少」にあります。
朝早く家を出る必要があり、帰宅も遅くなることで、実際にベッドで過ごせる時間が削られるからです。
また、長時間の移動は心身にストレスをもたらし、自律神経の乱れや心の疲れが積み重なりやすくなります。
チームはさらに、日中の眠気についても分析しました。
長い通勤をしている人は、昼間に強い眠気を感じやすい傾向があり、集中力の低下や作業効率の悪化も懸念されています。
「長い通勤」は、ただの時間のムダだけでなく、私たちの健康や毎日のパフォーマンスにも大きな影響を与えているのです。