「家の広さ」も眠りに関係していた
「通勤時間」と並んで見逃されがちなのが、「家の広さ」です。
今回の研究では、住んでいる家の床面積が小さい人ほど、不眠症のリスクが高まることもわかりました。
具体的には、家の広さが95㎡未満の場合、不眠症リスクが1.44倍に。
狭い家では、自分だけの静かな空間が確保しにくく、家族や周囲の物音、生活リズムの違いなどが眠りを妨げる原因になる可能性があります。
また、日本の都市部では、便利な立地ほど家が狭くなりやすいという「住まいのトレードオフ」も問題です。
たとえば、国が推奨する4人家族向けの広さ(95㎡以上)に住んでいても、通勤時間が約52分を超えると不眠症リスクが一気に上がるという分析結果も出ています。
つまり、
・「通勤時間が短いが、家が狭い」
・「家は広いが、通勤時間が長い」
どちらを選んでも、睡眠リスクがゼロになるわけではないという現実が浮き彫りになったのです。
家の広さが十分でも、通勤が長すぎれば睡眠の質は下がりやすく、逆に、通勤が短くても家が狭いと不眠症になりやすい。
「住む場所と広さ」と「通勤時間」、両方のバランスが睡眠のカギとなっているのです。
もし最近、寝つきが悪い、朝スッキリ起きられない、日中も眠いなどの悩みが続いている人は、「通勤」と「住まい」を見直してみる価値があるかもしれません。