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年末年始で「休んだ気がしない」理由は? / Credit:Canva
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年末年始で「休んだ気がしない」のはなぜか?正しい休息とは?

2025.12.23 06:30:45 Tuesday

多くの人が、年末年始に仕事から離れて十分に休息することを楽しみにしています。

ところが、連休が終わった後に「なぜか休んだ気がしない」「むしろ疲れが残っている」と感じた経験がある人も少なくないのではないでしょうか。

アメリカのウースター工科大学(WPI)の心理学者ステイシー・ショー氏は、既存研究を踏まえながら、私たちが考えている「休息」の捉え方そのものに問題がある可能性を指摘しています。

ショー氏は、年末年始に回復できない原因は、忙しさそのものよりも「休み方」にあると説明しています。

Rest is essential during the holidays, but it may mean getting active, not crashing on the couch https://theconversation.com/rest-is-essential-during-the-holidays-but-it-may-mean-getting-active-not-crashing-on-the-couch-270396

なぜ連休なのに回復できないのか

私たちは一般に、「休息=睡眠」あるいは「休息=何もしない時間」だと考えがちです。

確かに睡眠は重要ですが、心理学ではそれだけでは十分とは言えないとされています。

人間には、起きている時間の中にも心を回復させるための休息が必要です。

休息とは必ずしも横になって過ごすことではなく、身体や注意をある程度使う活動も含まれるのです。

問題は、年末年始がこのような回復を得にくい環境になりやすい点です。

この時期は、出費の増加による金銭的な不安、生活リズムの乱れ、移動や帰省による疲労、さらには家族関係の緊張などが重なります。

仕事が休みであっても、心理的な負荷そのものはあまり減っていない場合が多いのです。

こうした状況で多くの人が選びやすいのが、テレビ視聴やスマートフォンの長時間利用です。

実際、2000年代初頭に行われた調査では、テレビ視聴は最も一般的な余暇活動である一方、満足度は最も低い活動として評価されていました。

特に、1日に4時間以上テレビを見る人ほど、「あまり楽しくなかった」と感じる傾向が強まることが報告されています。

ショー氏らが行った学生を対象とした調査でも、疲れた一日の終わりには、学生たちはスマホをスクロールするなどの「考えなくて済む行動」に流れがちである一方、それが回復感につながりにくいことが示されています。

ここから分かるのは、時間を使ったかどうかと、心が回復したかどうかは別問題だという点です。

では、どのような休息が心の回復につながりやすいのでしょうか。

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