「回復する休息」とは?
多くの研究により、休息の効果は「その時間でどれだけ満足できたか」に大きく左右されると分かっています。
そして、満足感をもたらしやすい活動には、いくつかの共通点があります。
例えば、自然の中を歩くことは、悲しみや反すう思考と関連する脳活動が弱まる傾向と結びついていることが研究で示されています。
また、不安やストレスが軽減されやすいことも報告されています。
さらに2011年の研究では、音楽演奏や書道など、意識を向ける対象がはっきりしている行動も、ストレスホルモンであるコルチゾールが低下しやすいことが知られています。
こうした活動は、うつ症状を和らげるための支援やプログラムにも活用されてきました。
ただし、このような回復的な行動は、気分が乗ったときに自然に行われるとは限りません。
そのため、回復につながる活動を「気分に従って選ぶ」のではなく、あらかじめ予定として組み込むことが大切です。
計画することで実行されやすくなり、その結果として心身の状態が改善しやすくなるのです。
そして年末年始にもう一つ大きな障害となるのが、「休むことへの罪悪感」です。
心理学ではこれをleisure guilt(余暇の罪悪感)と呼び、休んでいる間に「何か生産的なことをすべきではないか」と感じてしまう状態を指します。
この感情が強いと、休息そのものを楽しめず、回復の効果が弱まってしまいます。
ショー氏は、この問題への現実的な対処として、まず「すべてを完璧にこなそうとしない」ことが重要だと述べています。
年末年始は行事や家事、予定が重なりやすいため、最初から水準を下げ、やらなくてもよい作業を減らすことで、余計な負担や罪悪感を生みにくくなるといいます。
また、休息の時間には、注意が自然と引きつけられ、ほかのことを考えにくくなるような没入感のある活動を選ぶことが勧められています。
散歩やテレビゲーム、創作活動など、意識が目の前の行動に向きやすい活動は、スマホやテレビなどでだらだらと過ごす時間よりも回復感を得やすいと考えられます。
さらに、休んでいる最中に罪悪感を覚えたとしても、それを無理に消そうとせず、「今はそう感じている」と受け止める姿勢が大切だとしています。
罪悪感を否定せずに認識すること自体が、結果的に心の負担を軽くする助けになる場合があるのです。
このように、年末年始に本当に休むためには、「何もしない時間」を増やすことよりも、心が回復する方向に意識的に行動を選ぶことが大切です。
せっかくの連休だからこそ、少しだけ休み方を工夫し、心と身体をきちんと回復させる時間を意識してみてはいかがでしょうか。
























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