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Credit: canva
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食事カロリーの30%カットで「脳の老化が遅くなる」と判明 (2/2)

2025.12.10 07:00:43 Wednesday

前ページ「脳の白質」を守るカロリー制限の力

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炎症と老化を抑えるメカニズム

さらに研究では、内の「掃除屋」であるミクログリアにも着目しました。

通常、加齢が進むとミクログリアはミエリンの断片(ごみ)を多く抱え込み、炎症を起こしやすくなります。

しかしカロリー制限グループでは、こうした「ごみをためたミクログリア」の割合が約3割も減少していました。

さらに、カロリー制限を続けたサルでは、ミクログリアがタンパク質やアミノ酸の代謝能力を維持し、抗炎症遺伝子の発現が高まる傾向も見られました。

また、脳内に入り込むT細胞(免疫細胞)の増加も加齢のサインの一つですが、カロリー制限をしていたサルでは、年齢を重ねてもT細胞の増加が抑えられていました。

これらの結果は、長期的なカロリー制限が脳内の炎症反応や損傷を抑え、細胞の代謝や修復機能を保つことにつながる、という生物学的な根拠を示しています。

単なるダイエットではなく、脳細胞レベルでの老化抑制メカニズムが初めて詳細に解明されたのです。

もちろん、ヒトで全く同じ効果が現れるかは今後の研究が必要ですが、「食事カロリーを制限することが脳の健康寿命を延ばす」可能性は非常に現実味を帯びてきました。

普段の生活で無理なカロリー制限は難しいかもしれませんが、適切な食事管理が将来の認知症予防や脳の若さ維持に役立つ——そんな希望が見えてきたと言えそうです。

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