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Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
history archeology

インドネシアの洞窟で「世界最古級の岩絵」を発見、約6万8000年前 (2/2)

2026.01.22 21:00:11 Thursday

前ページ洞窟に隠れていた“最古級の手形”

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人類の移動史と芸術の起源を書き換える可能性

この発見は、単に「古い岩絵が見つかった」という話にとどまりません。

スラウェシ島は、初期の現生人類が東南アジアの陸塊「スンダ」から、オーストラリアやニューギニアを含む「サフル」へと向かう際の重要な通過点だったと考えられています。

当時は海面が現在より低く、一部の島々は陸続きでしたが、それでも人類は島から島へ渡る航海を行う必要がありました。

今回の岩絵は、そうした北方ルート上に、すでに高度な象徴表現を行う人々が存在していたことを示唆します。

また、この手形にはもう一つ興味深い特徴があります。

指が細く、先端がとがっているのです。研究チームは、これが偶然ではなく、意図的に形を変えた表現である可能性を指摘しています。

もしそうであれば、この岩絵は単なる「手の痕跡」ではなく、何らかの象徴的意味を持つ表現だった可能性があります。

ただし、論文では慎重な姿勢も示されており、制作者が現生人類(ホモ・サピエンス)であった可能性が高いとしつつも、他の人類種を完全に排除することはできないとしています。

実際、ヨーロッパではネアンデルタール人による約6万4000年前の手形ステンシルも報告されており、アジアにはデニソワ人という別の人類集団も存在していました。

「芸術=現生人類だけの能力」と単純に結論づけることはできないのです。

こちらは発見された岩絵の3Dモデル。

手形が語りかけるもの

洞窟の壁に残された、色あせた手形。

それは数万年前の人類が仲間や世界と何かを共有しようとした痕跡かもしれません。

今回の発見は、人類がいつから「意味を込めて描く存在」になったのか、そして、どのように地球規模で広がっていったのかを考えるうえで、極めて重要なピースです。

しかも、同じ地域には、まだ調査されていない洞窟が数多く残されています。

世界最古級の岩絵は、もしかすると、まだ「入り口」にすぎないのかもしれません。

人類と芸術の物語は、これからさらに深く、塗り替えられていきそうです。

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