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psychology

「自分を責める癖」は親の影響?2タイプの完璧主義とインポスター症候群 (2/2)

2026.02.01 12:00:15 Sunday

前ページ完璧主義に潜む「3つのタイプ」とその形成背景

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インポスター症候群を動かす「性格のエンジン」

シュー氏らの調査により、インポスター症候群という「偽物感」が、どの完璧主義のタイプと結びつきやすいのかが検討されました。

統計的な分析の結果、インポスター症候群は「硬直的完璧主義」と「自己批判的完璧主義」の両方と強く関連していることが示されました。

当然ながら、「自己愛的完璧主義」については、インポスター症候群との関連は認められませんでした。

ここで重要なのは、インポスター症候群が単に「自分を偽物だと感じる」だけではなく、成功の受け止め方そのものがねじれやすい点です。

インポスター症候群には、自身の能力に対する偽物感に加えて、成功を過小評価したり、成功を運のせいにしてしまったりする側面が含まれます。

このとき、硬直的完璧主義が強い人は「成功」の判断基準が高くなりやすく、十分な成果を上げても満点以外は不足だと感じやすくなります。

そのため自身への採点が厳しくなり、また減点方式になりやすいため、自身を過小評価しやすくなります。

しかし、インポスター症候群と特に関連が強かったのは自己批判的完璧主義の方です。

このタイプになると、その不足感は単なる反省では終わらず、「ミスをしてはいけない」という恐怖を抱くようになります。

ミスへの警戒が強まり、評価の目を過剰に意識し、自分の出来を疑う癖が深まっていきます

すると成功しても、その成功が自信の材料になりにくくなります。

成功は「たまたま運が良かった」「今回は何とか実力不足を隠し通せた」と解釈され、成果そのものが自分の力として認識されません。

この受け止め方が続く限り、実績が積み上がっても自己評価だけが追い付かず、「いつか見抜かれる」という緊張が温存されやすくなります。

さらに、この構造は行動面にも影響します。

不安が高まるほど「完璧でなければならない」という考えに縛られ、過剰な準備に向かいやすくなります

ところが準備で一時的に乗り切れてしまうと、「準備がなければ失敗していた」という感覚が強まり、次はさらに準備を積み増す方向へ進みやすくなります。

こうして努力の量が増えるほど、成功が偶然や準備の産物に見えてしまい、偽物感がほどけにくい循環が生まれます。

またこうした不安から「十分な準備が出来た」と感じるまで身動きが取れなくなり、「先延ばし癖」に繋がる可能性も指摘されています。

自己愛的完璧主義の結びつきが弱かったことも、ここから理解しやすくなります。

自分は特別で有能だという感覚が前面に出るタイプでは、成功が「運」ではなく「当然」として解釈されやすく、偽物感が入り込む余地は小さくなります。

今回の結果が示しているのは、インポスター症候群を強めやすいのが、完璧主義の中でも特に「硬直」と「自己批判」という組み合わせだという点です。

この2つは、先にも述べた通り、幼少期の親の評価基準が影響しやすいようです。

周囲に“高い基準で生きる大人”がいて、それが当たり前の姿として見えていると、「ちゃんとやるなら満点であるべきだ」という価値観が生まれやすくなり、これが硬直的完璧主義の形成に関連します。

また、結果が良いときは認められるのに、うまくいかないときは関心が薄れたり、厳しい反応が返ってきたりする環境では、「失敗してはいけない」「完璧を求められている」という警戒が強まり、自己批判的完璧主義が形成されやすくなります

もちろん、親の影響は形成要因の一つであり、これですべてが説明されるわけではありません。

しかし、こうした要因が示されることで、うまく自分を認められないという問題の解消に役立つ可能性があります。

価値観は一朝一夕で形成されるものではありません。もし自分を正しく評価出来ていないと感じるなら、その要因を自覚して呪縛を断ち切る必要があります。

インポスター症候群は、就職や転職などで不利に働く恐れがあり、生活の基盤を上手く築けないという問題につながる可能性があります。

こうした問題に悩む人は、主観的な評価が歪んでいるので、日々の実績について、主観を除いた「事実」だけを記録することが有効だとされています。

あまりに実績を誇示するのも考えものですが、実績があるのに自分を認められないというのは歪んだ心理の現れでしょう。

素直に自分の能力を認められるようになれば、ずっと生きやすくなるかもしれません。

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