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AIで製造業の熟練度を見える化。イメージ。 / Credit:Canva
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AIが「職業の熟練度」を評価、製造業で活躍か【静岡大学】 (2/2)

2026.01.27 11:30:22 Tuesday

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AIのサポートにより製造現場での「新人教育」が捗る

研究チームは、このFIELDSが本当に新人教育に役立つのかを確かめるため、実験を行いました。

参加したのは大学生の被験者で、実際の製造現場を想定した組立作業を複数回行います。

被験者は二つのグループに分けられました。

一方はFIELDSを使い、自分の作業映像とAIによる工程分析のフィードバックを確認できるグループ。

もう一方は、従来どおり作業マニュアルと熟練者の映像のみを参考にするグループです。

現場の自己学習に近づけるため、人間の指導者による直接的な助言は行われません。

その結果、FIELDSを使用したグループでは、工程の抜けや順序ミスが比較的早い段階で小さくなる傾向が示されました。

作業を重ねるにつれて、正しい工程を正しい順番で実行できるようになり、作業プロセス全体が安定していったことが報告されています。

さらに注目すべき点は、作業時間の変化です。

FIELDSでは、各工程について「熟練者と比べてどれくらい時間がかかっているか」が示されます。

この情報をもとに被験者は、自分の時間がかかっている工程や無駄な動きに気づきやすくなり、作業時間の指標でもより良い値を示すようになったとされています。

この研究の新しさは、AIが人を単純に評価する仕組みを作った点にあるのではありません。

むしろ、熟練という曖昧な概念を、工程のズレという具体的な形に分解して示した点にあります。

これにより作業者は、「自分は下手だ」という漠然とした認識ではなく、「この工程の熟練度がまだ足りない」と理解できるようになります。

現在は、実際の製造現場での試験導入も始まっており、より実用的なシステムに仕上げていくことが今後の課題とされています。

仕事の上達は、これまで目に見えづらいものでした。

しかしこの研究は、職業の熟練度を「見えるステータス」として提示することで、人材育成のあり方そのものを変えつつあります。

現実の仕事にも、RPGのような成長の手応えが生まれる時代が、すでに始まっているのかもしれません。

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