避けられない低下、それでも運動は無駄ではない
ピークを過ぎた後、身体能力はすぐに急落するわけではありません。
研究によると、30代後半以降の低下は当初は緩やかで、年間0.数%程度にとどまります。しかし年齢を重ねるにつれて低下速度は加速し、高齢期には年間2%以上に達する場合もありました。
63歳時点では、ピーク時と比べて身体能力が30〜50%近く低下している人も珍しくありませんでした。
注目すべき点として、この「低下の速さ」には男女差がほとんど見られなかったことが挙げられます。
では、運動は意味がないのでしょうか。
結論は明確に否定されています。
確かに、身体能力がピークに達する年齢そのものを大きく遅らせることは難しいと考えられます。
しかし、運動習慣は「(身体能力が)どの高さまで到達するか」と「どれだけゆっくり衰えるか」に大きく関係していました。
若い頃から活動的だった人は、生涯を通じて高い身体能力を維持していました。
さらに、成人後に運動を始めた人でも、体力や筋力が約1割向上するケースが確認されています。つまり、始めるのが遅くても、確実に意味はあるのです。
ピークを知ることは、衰えを恐れるためではない
今回の研究は、「人はいつ衰え始めるのか」という不安をあおるものではありません。
むしろ、身体能力のピークを正しく知ることで、これからの付き合い方を考えるための材料を与えてくれます。
ピークは思ったより早く訪れますが、その後の落ち方は生き方次第で大きく変わります。
体を動かす習慣は、衰えを止める魔法ではありませんが、確実にそのスピードを緩めてくれるのです。
「もう遅い」と感じたときこそ、体を動かし始める意味があるのかもしれません。
























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