警察官も驚いた、逆順の効果を確かめる実験
では、実際に「逆から話してもらう」ことで、どれほど正確に嘘を見抜けるようになるのでしょうか。
この疑問を検証するために、ポーツマス大学で行われた興味深い実験があります。
研究チームは80名の学生を対象に、ある特定のイベントに参加した後にその内容を証言してもらうという設定を用意しました。
このうち半数の学生には「財布からお金を盗む」という役割を与え、面接ではその事実を隠して嘘をつくように指示しました。
一方、残りの半数は、実際に体験したことをそのまま話すよう指示しました。
そしてこの嘘と真実を話すグループを、さらにそれぞれ2つのグループに分け、片方には出来事を順序通り、もう一方には出来事を逆順に話してもらいました。
この面接の様子を録画し、55名の警察官に「誰が嘘をついているか」を判定してもらうというテストを行ったのです。
すると、出来事を起きた順番に話してもらった場合、警察官が嘘を正しく見抜ける確率はわずか42%でした。
これは、勘で当てるよりも低い数値であり、プロの捜査官であっても、通常の会話から嘘を見抜くことがいかに難しいかを物語っています。
ところが、話す順番を「逆からにしてください」と指示したグループの映像を見せると、嘘を見抜ける確率は60%にまで上昇したのです。
なぜ、このような差が出たのでしょうか。
それは、逆順で嘘をついている人は、正直に話している人に比べて、隠しきれない変化が現れたからです。
分析の結果、逆順で嘘をついている人は、正直に話している人に比べて、話すスピードが明らかに遅くなることがわかりました。
また、言葉に詰まったり、「えーと」といった言い淀みが増えたりする傾向も確認されています。
面白いことに、脚が落ち着かなくなったり、まばたきが増えたりといった、緊張感を示すサインもより顕著に現れました。
これは脳が『時系列を逆にして嘘をつく』という難題を処理するのに手一杯になり、自分の体や言葉を制御しきれなくなった結果、不自然なサインが増えたと考えられます。
とはいえ、それでも確率は60%なので、逆順に話させるというのが嘘を見抜く万能の方法というわけではありません。それでも普通に話してもらうより、この方法が嘘を見抜ける可能性は高くなります。
もし今後、パートナーの浮気を疑ったり、同僚の言い訳を疑ったりすることがあった場合は、試しに「時系列を逆にして何があったか話して」、と聞いてみると良いかも知れません。



























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