なぜ「男性のGスポット」は裏にあるのか?

なぜ小帯デルタが「男性のGスポット」と呼ばれるほど神経が集中しているのでしょうか?
今回の論文と関連研究を重ねてみると、いくつか理由が見えてきます。
まず大きいのは、神経の合流点だということです。
今回の論文も、小帯デルタではこうした複数ルートの重なりが起きるため、神経束や受容体の密度が高まりやすい、という見方を強く打ち出しています。
ある意味で裏側の小帯デルタは“複数の線が交わるジャンクション”として特化しているわけです。
もうひとつ大事なのは、そこが機械的にも“情報が濃い場所”だからです。
小帯デルタは、亀頭と包皮が出会う裏側の境目にあり、皮膚が引かれたり戻ったり、こすれたり、細かな振動が伝わったりしやすい位置です。
言い換えると、体の動きがそのまま刺激に変わりやすい「動きが集まりやすい境目」のような場所です。
こうした場所に神経が多いと、より敏感になりやすいのかもしれません。
また進化の目で見ると「なぜここなのか?」という問いも見えてきます。
オスとメスの生殖器は、交尾のたびに直接ふれ合うので、動物では雌雄の生殖器どうしがセットで変わっていく「共進化」が起こりやすいと考えられています。
実際、レビュー論文では、機械的にうまく交尾できることそのものが選択圧になりうると整理されていますし、霊長類でもオスの生殖器の形と交尾行動が結びついて進化してきたと古くから論じられてきました。
つまり、「陰茎のどこに感覚センサーを厚く置くか」は、相手側の体、とくに膣との相互作用と関係している可能性があります。
たとえば、陰茎の「男性のGスポット」と女性側のGスポットをはじめとした膣口や膣壁で生じる刺激が、相互作用しやすいように進化した可能性も考えられます。
実際、過去に行われた研究でも、マウスなどの研究ではオスとメスの生殖器の形が対応して変化してきた可能性を示すデータも出ています。
ただ、現在のところヒトや他の霊長類で実際の接触分布を可視化した決定打はなく、この部分は現段階において推測に留まっています。
今後、霊長類ごとの交尾パターン、メス側の生殖器形態、そしてオスの腹側感覚地図を並べて比べる研究が進めば、「なぜそこなのか」という疑問にも答えが見えてくるでしょう。



























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