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オーディオブックは通常の読書と同じ効果があるのか? / Credit:Canva
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聴く本「オーディオブック」は「読書」と同じくらい良いものか? (2/2)

2026.05.14 06:30:06 Thursday

前ページ脳は「見る」と「聴く」をほぼ同じように理解していた

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「推論」が必要な場合、読書が有利だった

オーディオブックと読書の違いを明らかにするうえで重要な手がかりになったのが、2021年に発表されたメタ分析です。

この研究では、46の研究と4687人分のデータを統合し、「読む」と「聴く」の理解度を比較しました。

まず分かったのは、全体平均では両者に大きな差が見られなかったことです。

つまり、「オーディオブックでは内容がほとんど頭に入らない」というわけではありませんでした。

しかし詳しく分析すると、差が現れる条件が見えてきました。

特に重要だったのが、「自分のペースで進められるかどうか」です。

読書では、難しい箇所に出会ったとき、「今のどういう意味だ?」「もう1回読もう」と自然に立ち止まれます。

一方、音声は時間とともに流れていきます。

もちろん巻き戻しはできますが、通勤や家事などと同時に聴いている場合は、読書のようにその場で立ち止まって確認することが難しくなります。

さらに研究では、「文字通りの理解」では差が小さい一方で、「推論」を必要とする理解では読書が有利であることも分かりました。

たとえば小説なら、行間を読んだり、伏線を理解したり、複数の情報を結びつけたり、登場人物の感情を推測したりするような理解です。

これらの結果を考えると、目を使った読書には音声にはない“認知的な足場”があると考えられます。

本を読んでいると、「右ページの下のほうにあった単語だ」「あの段落をもう1回見返そう」といった、視覚や空間の記憶を利用できます。

さらに未知の単語に出会った場合でも、文字の形や綴り、前後の文脈を手がかりにして意味を推測できます。

しかし音声では、単語は一瞬で通り過ぎてしまいます。

読書とは単なる情報入力ではなく、「立ち止まり、見返し、推測し、再構築する」認知活動でもあるのです。

加えて、オーディオブックは“ながら聴き”と結びつきやすい点も重要です。

運転、運動、掃除、料理などを同時に行えば、当然ながら注意力は分散します。

つまり問題は、「オーディオブックが悪い」というより、「耳で聴く情報が現代では分散注意の中で消費されやすい」点にあるのかもしれません。

では、オーディオブックと読書はどのように使い分けることができるでしょうか。

オーディオブックは「気軽に楽しむ読書」や「本来なら読まなかった本に触れる手段」として有効かもしれません。

バスや電車の中といった通勤中や通学中も活用できます。(吸収率が低下する可能性はあります)

一方で、細部まで覚えたい本や、複雑で何度も読み返したくなる本については、紙や電子書籍で読むほうが向いています。

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