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Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
science

カップの手触りで「コーヒーの味が変わる」と判明

2026.06.19 07:00:54 Friday

コーヒーの味は主に、豆の種類や焙煎、抽出方法で決まるものです。

しかし、私たちが感じている「味」は、舌だけで作られているわけではありませんでした。

中央大学の研究チームは今回、コーヒーを飲むときの「手触り」が味覚評価に影響することを明らかにしました。

研究によると、ざらざらしたスリーブのカップで飲む場合よりも、さらさらしたスリーブのカップで飲む場合の方が、コーヒーの酸味が弱く感じられたのです。

しかもこの効果は、カップそのものではなく、反対の手で触っている別の物体でも起こることが示されました。

研究成果は2026年6月3日付で学術誌『Multisensory Research』に掲載されています。

手触りで変わるコーヒーの味 ―世界初・さらさらした触感が酸味を弱めることを発見― https://www.chuo-u.ac.jp/aboutus/communication/press/2026/06/86512/
The Contextually Tolerant but Temporally Intolerant Sensation Transference from Tactile to Taste in Drinking Coffee https://brill.com/view/journals/msr/aop/article-10.1163-22134808-bja10198/article-10.1163-22134808-bja10198.xml

コーヒーの味は「舌」だけで決まらない

私たちは普段、飲み物の味を「舌で感じている」と考えています。

しかし実際の飲食体験は、味覚だけでなく、香り、温度、見た目、容器の重さ、手触りなど、さまざまな感覚が組み合わさって生まれています。

たとえば、同じ飲み物でも、薄い紙コップで飲むのと、重みのある陶器のカップで飲むのでは、少し印象が変わることがあります。

これまでにも、カップの色や形、材質が飲み物の味の評価に影響することは報告されてきました。

ただし、従来の研究には課題もありました。

カップの材質が違うと、手で触れる感覚だけでなく、見た目や、唇に当たる感覚も変わってしまいます。

そのため、味の変化が「手触り」だけによるものなのか、それとも視覚や口元の触覚の影響なのかを切り分けることが難しかったのです。

そこで今回の研究では、手で感じる触覚そのものに注目しました。

実験では、紙やすりで作ったざらざらしたスリーブと、クラフト紙で作ったさらさらしたスリーブを用意しました。

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実験に使われたスリーブ。左:ざらざら、右:さらさら/ Credit: 中央大学(2026)

カップ自体は同じものを使い、参加者には目隠しをしてもらいました。

これにより、見た目の違いやカップそのものの材質の違いをできるだけ排除し、「手で感じるスリーブの質感」がコーヒーの味にどう影響するかを調べたのです。

参加者92名は、約68℃のブラックコーヒーを約115mlずつ、ざらざらしたスリーブのカップと、さらさらしたスリーブのカップから順に飲みました。

その結果、ざらざらしたカップの後にさらさらしたカップで飲んだ場合、コーヒーの酸味が弱く感じられることがわかりました。

一方で、逆の順番では同じ効果は確認されませんでした。

また、甘味や後味については、手触りによる明確な影響は見られませんでした。

つまり、この研究で示されたのは、「カップの手触りでコーヒーの味すべてが変わる」という単純な話ではありません。

より正確には、さらさらした手触りが、特にコーヒーの酸味の感じ方を弱める可能性がある、という結果です。

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