若い男性でも増加、ただし理由はまだ分からない
毎年6月時点の12カ月移動平均を見ると、男性10万人当たりの施術率は2016年の33件から2023年には53件まで上昇し、2024年には50件へわずかに低下しました。
長期的な増加は明らかですが、2024年まで一貫して上がり続けたわけではありません。
最も高かった35~44歳では、10万人当たりの施術率が2016年の71件から2024年には102件へ増加しました。
「希望する人数の子どもを持ち終えた人が増えている可能性」や「将来の家族計画を早い段階で決める傾向が強まっている可能性」が考えられます。
また、18~24歳でも、10万人当たりの施術率は2016年の0.33件から2023年には1.08件へ増え、2024年には0.89件となりました。
地域別ではクイーンズランド州が研究期間を通して高く、当初は低かった南オーストラリア州でも上昇が見られました。
一方、18~44歳女性の出生数を人口10万人当たりで示した12カ月移動平均は、2016年6月の4393件から2024年6月には3436件へ減少しました。
オーストラリア全体の合計特殊出生率も、2024年には女性1人当たり約1.48人となり、過去最低水準に達しています。
研究者は背景の候補として、住宅費や子育て費用、雇用の不安定さを挙げており、こうした経済的要因が「子どもを持つタイミングを早めに決める動き」や「永久避妊の選択を後押ししている」可能性があるとしています。
さらに、パイプカットへの理解や社会的な受容の広がりに加え、「避妊の責任を男性側も積極的に担う」という意識の変化が、選択肢としてのパイプカットを後押ししている可能性もあります。
しかし、今回のデータには、施術を受けた人の所得、住宅事情、家族構成、施術理由は含まれていません。
そのため、生活費の高騰がパイプカットの増加に影響している可能性や、家族計画の変化と出生率低下が同時に進んでいる可能性はあるものの、両者の因果関係はまだ明確ではありません。
今後は、こうした社会的背景と個人の選択の関係をより詳しく検証する研究が求められます。































