反証の芽は、教室より先に育っている

証拠によって誤った説を退けるという営みは、科学という建物を支える背骨にあたります。
今回の研究が示したのは、その背骨が、理科の授業が始まるよりずっと前の4歳の時点ですでに立ち上がり始めているという事実でした。
この発見は幼児教育にもヒントを与えてくれます。
子どもが「間違いだ」と確信できる主張をあえてぶつけてみることは、知識の量に関係なく「良い証拠とは何か」を考えさせる絶好の練習台になりうるからです。
大人がわざと間違えてみせて、「どうしてちがうと言えるかな?」と問いかけるだけで、子どもの中の小さな科学者は動き出すのかもしれません。
なお、今回の調査対象はドイツ都市部の、主に中流家庭の子どもたちでした。
異なる社会や文化で育つ子どもたちでも同じ結果になるかは、今後の検証を待つ必要があります。
それでも、「ちがうもん!」と口をとがらせる4歳児の頭の中で、証拠を吟味し、相手の主張の逃げ道をふさぐ一手を選ぶ思考が回っている——そう思うと、子どもの反抗も少しちがって見えてくるのではないでしょうか。
































