重りに慣れて育った鳥は、同じ負荷を少ないエネルギーで運べた
重りに慣れていない対照群では、体重の約3.2%の重りをつけると、重りなしの場合より歩行時のエネルギー消費が平均23.1%増加しました。
ところが、成長期から重りをつけていた鳥では、重りをつけた状態のエネルギー消費は、重りを外した場合より平均3.0%低く、この差は統計的に有意ではありませんでした。
つまり、長期間その負荷を経験して育った鳥では、重りの有無による歩行エネルギーの差がほとんど見られなかったのです。
さらに同じ重りをつけて両群を比較すると、成長期から重りをつけていた鳥の歩行時の代謝コストは、普通に育った鳥より21.9%低くなっていました。
しかも、重りに慣れた鳥が「重りあり」で歩く場合と、普通の鳥が「重りなし」で歩く場合でも、平均的なエネルギー消費に有意な違いはありませんでした。
両群では、実験終了時の体重や立っているときの代謝量にも有意な違いがなく、日常の移動量についても強い群差は確認されていません。
このため研究チームは、成長する体が日常的な負荷に合わせて、移動のエネルギー効率を調整した可能性があると考えています。
原因はまだ特定されていませんが、重い脚を効率よく動かすよう神経系や歩き方が適応したほか、成長中の筋肉や腱の形や性質が負荷に適したものへ変化した可能性もあります。
つまり単に「筋力がついた」というより、重りのある環境に合わせて、体と動かし方の両方が効率化した可能性があるのです。
ただし、今回の比較だけから「重りそのもののエネルギーコストがゼロになった」とまでは言えません。
重りを外すことも、負荷に適応した鳥にとっては普段と異なる条件だったからです。
また、今回調べたのは成長の速いホロホロチョウであり、人間の子どもが運動した場合に同じ変化が起きることを直接示した研究ではありません。
それでも研究チームは、同様の適応が人間にもあるなら、子どもの頃の身体活動が、大人になってから運動をどれだけ楽に行えるかに関係する可能性があると考えています。
今後は、人間を含む成長の遅い動物でも同じ現象が起こるのか、いつ適応が生じ、どれほど長く残るのか、さらに神経や筋肉、腱のどの変化が効率向上を生むのかを確かめる必要があります。

































