太陽と月が「地震の引き金」になる仕組みが判明した可能性
太陽と月が「地震の引き金」になる仕組みが判明した可能性 / ※画像はイメージです。Credit: Generated by Codex (gpt-image), ナゾロジー編集部
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太陽と月が「地震の引き金」になる仕組みが判明した可能性

2026.09.30 13:20:00 Wednesday

夕方の海辺で、潮がじわじわと引いていく様子をぼんやり眺めていると、時間まで一緒に流れていくような気分になります。

海の満ち引きを起こしている月と太陽の引力は、実は海だけでなく、地球全体をわずかに揺さぶっています。

これまでの観測でも、この潮の力と、地下の断層がすべる動きとの間には関係があることが指摘されてきました。

しかし、断層を動かすには小さすぎるように思えるこの力が、どうやってすべりのきっかけになりうるのかは、一見すると不思議に感じられます。

そこで今回の研究では、断層を単純な模型に置き換えたコンピューターの計算によって、この謎に迫りました。

月と太陽は、いったいどのようにして大地のすべりを後押ししているのでしょうか。

研究内容の詳細は2026年9月1日に『Journal of Geophysical Research Solid Earth』にて発表されました。

Theoretical Constraints on Tidal Triggering of Slow Earthquakes (Journal of Geophysical Research Solid Earth) https://doi.org/10.1029/2026jb033983
Theoretical Constraints on Tidal Triggering of Slow Earthquakes https://doi.org/10.1029/2026jb033983

月と太陽は「地面」も揺さぶっている

月と太陽は「地面」も揺さぶっている
月と太陽は「地面」も揺さぶっている / ※画像はイメージです。Credit: Generated by Codex (gpt-image), ナゾロジー編集部

月と太陽の引力が生む「潮汐応力」は、海の水だけに働くわけではありません。

この力は地球全体に及ぶわずかな力の揺さぶりとして、地下の岩や断層にもかかっています。

断層とは地下の岩盤どうしがずれ動く境目のことで、ここが一気にすべると地震になります。

一方で、普通の地震よりもずっとゆっくり断層がすべる「スロー地震」と呼ばれる現象もあります。

今回の研究が注目したのは、潮汐がこうしたゆっくりとしたすべりを引き起こす仕組みです。

研究者たちは、潮汐がどう地震のきっかけになるかを理解することは、小さな力の変化に敏感な地下の環境を見極めるうえで欠かせないと述べています。

そこで研究者たちは、断層を「バネにつながれたブロック」に見立てた、シンプルな模型を使いました。

床の上のブロックをバネで引っぱると、ブロックは摩擦に逆らいながら、すべったり止まったりします。

この摩擦には、すべる速さや接触面の状態によって強さが変わる「速度・状態依存摩擦」という法則が使われました。

想定したのは、速くすべるほど摩擦が弱まる性質を持ちながらも、ぎりぎりのところで安定してすべり続けている断層です。

いわば、安定と不安定の境目のすぐそばで、かろうじて落ち着いている断層だといえます。

では、この断層に潮汐のような小さな力を加えると、何が起きるのでしょうか。

次ページぎりぎりの断層に「小さな一押し」を加えると?

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