月と太陽は「地面」も揺さぶっている

月と太陽の引力が生む「潮汐応力」は、海の水だけに働くわけではありません。
この力は地球全体に及ぶわずかな力の揺さぶりとして、地下の岩や断層にもかかっています。
断層とは地下の岩盤どうしがずれ動く境目のことで、ここが一気にすべると地震になります。
一方で、普通の地震よりもずっとゆっくり断層がすべる「スロー地震」と呼ばれる現象もあります。
今回の研究が注目したのは、潮汐がこうしたゆっくりとしたすべりを引き起こす仕組みです。
研究者たちは、潮汐がどう地震のきっかけになるかを理解することは、小さな力の変化に敏感な地下の環境を見極めるうえで欠かせないと述べています。
そこで研究者たちは、断層を「バネにつながれたブロック」に見立てた、シンプルな模型を使いました。
床の上のブロックをバネで引っぱると、ブロックは摩擦に逆らいながら、すべったり止まったりします。
この摩擦には、すべる速さや接触面の状態によって強さが変わる「速度・状態依存摩擦」という法則が使われました。
想定したのは、速くすべるほど摩擦が弱まる性質を持ちながらも、ぎりぎりのところで安定してすべり続けている断層です。
いわば、安定と不安定の境目のすぐそばで、かろうじて落ち着いている断層だといえます。
では、この断層に潮汐のような小さな力を加えると、何が起きるのでしょうか。





















