すべるタイミングと速さを決めていたもの

研究者たちは、引き起こされたすべりを、実際に観測できる量を使って特徴づけました。
使われたのは、すべりのエネルギーのうち揺れとして放たれる割合の目安となる「放射効率」と、すべりが潮汐のどの段階で起きたかを示す「潮汐位相」です。
解析の結果、揺さぶりの周期が長くなるほど、すべりが起きるタイミングは、潮汐の力が最も大きい瞬間から、力が最も速く増えている瞬間へと移っていくことがわかりました。
一方で、揺さぶりの振れ幅が大きくなると、すべりはゆっくりとしたものから速いものへと移り変わっていきました。
研究者たちによると、この枠組みは、潮汐への敏感さが周期によって変わることや、観測されてきた、潮汐応力と最大すべり速度のタイミングの偏りを説明する助けになるといいます。
さらに、実際の観測で見られる潮汐との関係のパターンを模型の予測と比べれば、断層の性質を探れる可能性があります。
具体的には、その瞬間の境界面の摩擦の強さや、摩擦が弱まるまでにどれだけすべる必要があるかを示す距離を見積もる手がかりになるかもしれないといいます。
ただし、今回の結果は、バネとブロックという単純な模型を用いた理論的な計算によるものです。
また、論文の要旨を見る限り、地震がいつ起きるかを言い当てる方法は示されていません。
私たちが見上げる月と太陽は、夜空を照らすだけでなく、足元の奥深くでぎりぎりに保たれた断層のバランスにも、そっと指先を触れているのかもしれません。
満ち引きに振り回されているのは、どうやら波打ち際で慌ててサンダルを拾う私たちだけではなさそうです。





















