対になる感覚を1つの神経で感知することは理にかなっている
今回の研究によって、私たちが感じてきた「温かさ」や「温もり」の正体が「まあまあ冷たくない」であったことが判明しました。
どうやら哺乳類においては「温かさ」や「温もり」は、心理的な世界にのみ存在する概念のようです。
少し寂しい気がしますが、対になる感覚を、片方だけの神経で制御することは、エネルギーの節約の面からみれば理にかなっているのです。
特に温度のような連続的に変化する環境に対しては、暖かさと冷たさを感じる神経を競合させるより、冷たさを感じる神経だけに判断基準を持たせ、暖かさを感じる神経は火傷レベルの熱を感じさせる機能に特化した方が合理的です。
とはいえ、いくら科学的事実が明らかになったとしても「温かさ」や「温もり」に対する考え方を改める必要はなさそうです。
自販機の「あったか~い」表示が「つめたくな~い」に変更されても、誰も得はしないでしょうから。