- 指には筋肉がほとんどない
- 進化的にみても、初めて生物が指を持った頃から指に筋肉はなかった
- 指に筋肉がないのは、指を細く保つためだった
ピアニストやロッククライマーにはよく知られている事実ですが、実は指は、指の筋肉で動いているのではありません。
指を動かす力のほとんどは、手の平と手首付近の筋肉によって作られているのです。
確認するには簡単な実験をするだけです。
片方の腕をリラックスさせダラリと下に伸ばした状態で、反対の手で手首を握る…と、指が曲がりませんか?
これは、指の動きを制御する筋肉と腱が手首にあることを意味する、証拠の一つです。
またピアノやバイオリン、文章のタイピングなど指を使い過ぎた時に起こる腱鞘炎も、酷使された「指そのもの」に現れることは珍しく、手首以降の腕に現れます。
しかし、どうして指には筋肉がないのでしょうか?
指は太いより細いほうが役に立つから
現在、理由として考えられている仮説は「指は細いほうが役に立つから」です。
指は人体の中で最も使われる部位の一つであり、指に筋肉があると、ちょっとした酷使でアッという間に肥大化してしまいます。
そうなると、細かい作業が行えなくなってしまいます。
人間のように指で複雑な動作を行える動物は、指そのものを太くして強化するより、細い指でできる繊細で細かい動きのほうに、価値があったのです。