
- 土埃をあげずにロケットが着地するため、自ら着地台を作る「FASTシステム」が開発された
- 排気口から溶けた金属が排出されて着陸台を作る
- NASAの月面有人飛行計画「アルテミス計画」に「FASTシステム」が使われるかもしれない
ロケットが離着陸するとき、周囲には大きな衝撃波が広がります。
地球では耐衝撃用の発射台が整備されているので安全に離陸できますが、他の惑星に着陸するときには大量の岩や粉塵を撒き散らし、ロケットを傷つけてしまいます。
そこで、NASAが資金提供をするアメリカの宇宙開発会社Mastenが、ロケットが瞬時に着陸台を作る「FASTシステム」を開発しました。
開発者いわくFASTシステムは「エンジンの排出口から液体の金属を地表に吹き付け、それを固めて着地台にする」というクレイジーな発想から生まれたようです。
粉塵からロケットを守るには?
1960年代のアポロ計画のように人を乗せるだけの小さなロケットであれば、上がる粉塵は少量なので無視できます。しかしアルテミス計画では、月面基地の機材を運ぶために大きなロケットを使うので、粉塵が多く発生して機材を傷つけてしまいます。
それを防ぐため、Mastenの研究者は、まず惑星での着陸のシミュレーションをおこない、ロケット自体を粉塵から守る方法を考えました。

しかしシミュレーションの結果、ロケットを粉塵から守るためには多くのシールドを装着しなければならず、重量やコストの面から効率が悪いと分かりました。
よって、Mastenは粉塵の発生自体を抑える着陸台の製作へと研究の舵を切ったのです。



























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