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1400年前のヴァイキングの歯から「天然痘ウイルス」を発見!20世紀に根絶したものと遺伝子が違っていた (2/2)

2020.07.25 Saturday

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見つかった「天然痘ウイルス」は遺伝子構造が違っていた

研究チームは、イギリス、デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、ロシアにあるヴァイキング時代の遺跡11ヶ所から、複数の遺骨に天然痘ウイルスを発見しました。

新たに見つかったウイルス株のゲノム配列を行ない、4つのサンプルについて、ほぼ完全なゲノム再構築に成功しています。

その結果、遺骨に見つかった天然痘ウイルスは、少なくとも1400年前のものであり、遺伝子構造が20世紀に根絶されたものと異なっていました。

ヴァイキングの天然痘ウイルスは、遺伝子的に「ラクダ痘」やげっ歯類の「タテラポックス」といった動物性のポックスウイルス科に近いことが判明しています。

このことから、ヴァイキング時代の天然痘は、20世紀ほどの危険性を持っていなかったかもしれません。実際、ヴァイキングの死因が、天然痘であるかどうかは断定できないそうです。

また、20世紀の天然痘ウイルスと比較すると、活性遺伝子と不活性遺伝子のパターンが大きく異なっていました。ここからウイルスが変異して、より危険な殺人ウイルスに進化する道が複数示されています。

これは天然痘ウイルスの変異プロセスを知る上で重要な発見です。

ウイルス変化のメカニズムを解明することは、この先、人類を襲う新たな感染症を食い止めるために非常に役に立ちます。

天然痘ウイルスは根絶されましたが、明日には別のウイルスが動物から放たれるかもしれません。新型コロナウイルスがその格好の例になります。

人類が存続する限り、感染症との戦いは果てしなく続いていくでしょう。

研究の詳細は、7月24日付けで「Science」に掲載されました。

Diverse variola virus (smallpox) strains were widespread in northern Europe in the Viking Age
https://science.sciencemag.org/content/369/6502/eaaw8977

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reference: scitechdailyiflscience / written byくらのすけ
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